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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2005.07.31 Sun » 三つ目の指輪物語?

S席17000円=130ユーロ


当日券売り場の残席チケットのお値段を見て、これからマイアー&ヘップナーの歌う「トリスタンとイゾルデ」@パリ・オペラ座をS席で聞けるのかなと思った新国のツェムリンスキー「フィレンツェの悲劇」by二期会。この瞬間、はっきりと「ここは日本だ」(by森鴎外「普請中」)と悟ったのでした。エリスと違って、喜んでベルリンでもロンドンでも帰るのですけどねえ(テロは怖いけど)。

さらに、「フィレンツェの悲劇」だけでは短いので、後半はプッチーニの「ジャンニ・スキッキ」。私にはチケット購入をためらわすのに十分な演目でありました。モネ劇場で見たときのようにシュレーカーの「王女の誕生日」とかだったら即買いだったんだけどなあ(知り合い曰く「それでは客が入らない」、ごもっとも)。

と言うわけで、知り合いが後で面白かったかどうか教えてくれるというので、明日行くかどうかはそれ次第にして、お隣の中劇場へ。そう、夏休み親子向けオペラを見に行ったのでした。


「ジークフリートの冒険  指輪を取り戻せ!」


上演時間1時間、2100円、日本語上演だとはいえ、子供とその親で満席。もう始まる前の騒々しさは、学級崩壊とはこんなものかなと思ったのでしたが、いざ始まったら意外や意外に静か。笑いのツボではちゃんと笑うし、興味津々で皆舞台を見ておりました。

「ジークフリート」と銘打たれていますけど、筋金入りのヴァグネリアン(あとは多分ヴォルフガング・ヴァーグナー)が見たら怒り出すほどに内容は改編というか、およそ別物。指輪の登場人物、音楽、ある程度の筋を使った別物でありました。

中劇場内に入ると、舞台上に剣が置かれていました。そして天井からは「さわるな!」と書かれた大きな紙が垂れ下がっており、ライン川も世界樹も見当たらず。その脇に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン各1、ティンパニー&パーカッションにエレクトーンという極めて小編成のオーケストラ。時々弦楽器だけになるとヒンデミットの迷作弦楽四重奏曲もかくやという音響でありました。


最初にトランペットを持ったロボットが登場。会場はアシモ君だと騒ぐ子供多数でしたけど、それはホンダで、こちらはトヨタのロボットであります。このロボットは子供たちに向って色々語るのですけど、それ以上に私が注目したのはトランペット。「ヴァルキューレが登場するときはいつもこんな音楽が鳴ります」と言って、トランペットでヴァルキューレのライトモチーフを一くさり。うーむ、日本のオケで失業者がでるかも。
なお、アシモ君(仮称)のライトモチーフの説明はこれ一つだけでした。デリック・クック並にトランペット一本でライトモチーフの説明を続けて欲しかったのですがねえ。


ロボットが退場していよいよ開始。

カタツムリのような感じの衣装を着た人物が登場。アルベリヒかと思ったらファフナーでした。垂れ下がった紙を見て開口一番「なるわさ」、一瞬意味が取れませんでした。続いて剣を掴もうとするとあらかじめアシモ君(仮称)に言われたとおり会場中から子供たちが「大変だー」の大合唱。すると、「わしが触らねばオペラが始まらないのだ」とメタ的なご発言。そして警報音とともに「ヴァルキューレの騎行」の音楽、そしてブリュンヒルデ他3名のヴァルキューレが登場し、剣を奪われまいと戦います。ただヴァルキューレ達の歌詞を聴くと、どうやらこの剣は彼女たちの父であるヴォータンの大切なものなのらしいのでありました(えっ?)。残り5名は多分予算の関係で登場させないまま、ブリュンヒルデ達は剣を守りきったものの、ヴォータンの槍も無いのに剣、後にノートゥングと判明(ただしライトモチーフは使われず)したその剣は簡単に折れたのでした。

「ヴァルキューレ」第3幕ヴォータン登場の音楽(雷の音響付き)と共にヴォータン登場。「ヴァルキューレ」第3幕同様に長いお説教があり(ただし中身は全然別で、「これは無敵の英雄しか使えない剣で、彼以外のものが使うと簡単に折れる」云々)、罰としてブリュンヒルデは永遠の眠りにつかされてしまいます。特段どうすれば起きるとか、英雄しか炎を越えられないとかは言いませんでした。
このシーンでは、ヴァルキューレ第3幕最後のシーンと魔の炎の音楽が使われていまして、火の神ローゲを呼ぶと、真っ赤な衣装のバレエ・ダンサーが踊りながら登場。ウォーナ演出@新国よりもチープな炎(炎の形の銀紙を下から風を送って立たせ、それに赤い照明を当てる)が燃え上がるのでした。なお、魔の炎の音楽の演奏は、これまたポール・パレーも真っ青なチープさでありました。幾らなんでも編成が小さすぎないかと思うのですけど。

続いて眠っているブリュンヒルデの周りを小鳥が携帯電話で写します。最初は誰が登場したのかと思ったのですが、後で判明。

場面変って、舞台奥を意味も無く走るジークフリート。車にぶつかって壊してしまうのですが、そこで一言「トヨタの車だったらこんなことにならないのになあ」。特別協賛にはトヨタが入っています。ヴィーン国立でもここまで露骨なことはしていないのですけどねえ。

森の囁きの音楽が流れ、小鳥は、ブリュンヒルデが可哀想だ、そうだジークフリートならば起こせるかもしれないと彼を連れてくるのですが、小鳥はピーピーとさえずり、それにパントマイムを加えるのでジークフリートには理解されず。このシーンは結構面白かったです(場内でも受けておりました)。ようやく角笛によるライトモチーフが吹かれ、ジークフリートが「小鳥の言うことが分かり始めた」と歌います。

ああ、これでブリュンヒルデのところに行って目覚めさせるのだなあ、ところで指輪は?と思っていたら、小鳥が驚くことを言うのでした。曰く、女の子にはプレゼントをあげないといけない、それにはラインの乙女達の持つ黄金の「指輪」が良いと。あんたはローゲかミーメかいと思うまもなく、単純バカであることは原作同様に変わりないジークフリートは、指輪を奪いにラインの乙女たちの所に小鳥と向います。世界の破滅が小鳥によってなされるとは、ゲッツ・フリードリヒも思いつかない読み替えであります。

二人は船で向うのですが音楽は「ジークフリートのラインへの旅」@黄昏。もっとも私は「ラインの黄金」でヴォータンとローゲがニーベルハイムに向う音楽の方が相応しいと思いましたけどねえ。


場面変ってギービヒ家ではなくライン河。ラインの乙女達が陽に輝くラインの黄金を讃えています。ここの音楽は「ラインの黄金」の同じシーンから取っています。そして「ラインゴ~ルト、ラインゴ~ルト」の部分だけドイツ語を使用していて非常にしっくり。そこにアルベリヒではなくファフナーが登場。指輪をはじめあらかた奪った挙句に森に消えて行きます。
僅かに遅れて小鳥のローゲ(仮称)とジークフリート登場。点でバラバラに歌って何が何だか分からないラインの乙女たちを順番に指図して、ミーメからアルベリヒの秘密を聞くローゲのような小鳥。話を聞いて、戦えないと嘆くジークフリートに対して小鳥は、無敵なんだから素手で戦えばと、原作でも触れられていないタブーの一言を喋ってジークフリートに首を絞めらたりしているところに、(剣を折った程度のことで)娘を永遠の眠りに陥らせてしまったと後悔の念一杯の歌(ヴァルキューレ第2幕後半のヴォータンの悲嘆の旋律?)と共にさすらい人のようなヴォータン登場。もっとも両目ともあいていまして、目薬でも差しているのかな(それはENOの演出)。

小鳥が両者に、こちらブリュンヒルデのお父さんのヴォータンさん、こちらは無敵で恐れを知らない英雄のジークフリートさんと紹介。確かに、こちらの方が素直だよなあ、あんな不思議な程に回りくどい出会い方して、挙句の果てにヴォータンは槍まで折られるよりはと思いつつ、ヴォータンを王様と紹介しているのには、「違うよ、神々の長だよ」と小鳥に突っ込みを入れたかった。大体永遠の眠りにつけるような薬を持っている王様がいるかね、そんな長生きできそうな薬を持っているのはカール4世くらいだよ(有効期間300年強)。

剣が無いと言うジークフリートに折れたノートゥングを示すヴォータン。それを見て簡単に直せるとジークフリートがセリフを言うと、「ヴァルキューレ」第1幕への前奏曲の嵐の音楽とともに怪しげな鍜治場と金梃が登場。そして「ジークフリート」の剣を鍛える場面の音楽に切り替わります。完成したノートゥングは、漸鉄剣の如く剣より大きい家でも金梃でも何でもスパッと切ってしまうのでした。

小鳥とヴォータンを引き連れて森に向うジークフリート。ヴォータンがお手並み拝見と歌うと、戦いの音楽に。長崎くんちの龍のようなファフナーが登場し、尻尾の方から順番に切り離されていくのでした。

そして「ラインの黄金」でアルベリヒからヴォータンが強引に奪い取ったように指輪をファフナーの指から強引に奪うとジークフリートは意気揚々とブリュンヒルデの眠る山に行くも、起こし方が分からない。小鳥がこうするんだよと、ヴォータン相手にキスをするので、ようやくジークフリートは合点がいって、ブリュンヒルデは目覚め、お互いに愛の歌を歌います(ここは「ジークフリート」のそれ)。

そして何とヴォータンが祝福をしにやってくる!斬新であります、見たことありません、「ジークフリート」のラスト・シーンにヴォータンが登場する演出なんて!!(実際にそんな演出があったら、ヴォータンは邪魔だと思うけどね)。

そこへ、ヴァルハラに入ろうとする神々への恨み節の如きラインの乙女たちの嘆きの歌が流れてくるではないですか、「君は私に隠し事をしている、この指輪は君の物ではないのだね」とジークフリートを詰るヴォータン、あんたが言える立場か!と思いつつ、ヴォータンそっくりにこれはもともとラインの乙女のものだが、ファフナーが奪ったのでそれを奪ったのだと弁明するジークフリート。どう考えても善意の第三者ではない。小鳥のローゲ(仮称)に騙されてにっちもさっちも行かなくなったジークフリート、さあどうなる?と思っていたらブリュンヒルデが、「指輪はいらない」と言って、プログラムにも書かれているテーマソング「愛こそすべて」を歌うのでした。

歌詞は転載できませんけど、要は愛こそが一番大切なもので、その他(権力や金か?)はいらないというものであります。使われている旋律は自己犠牲から取られている感じですけど、小太鼓入りでアレンジがムーディーというか「1984年」(byマゼール)の例の部分に近い感じで、聞く方がこっぱずかしい感じでありました、とても明るい曲です(NHKの「みんなの歌」でも採用可)。

最後のシーンは、舞台は燃えませんし、洪水もありません。人類の時代の始まりでも、労働者たちが立ち上がるわけでありません。登場人物全員が現れて記念撮影を、映写機ではなく普通のカメラでして終わり。暗転後、もう一度メインテーマを歌いながら、歌手たちは舞台を回って子供たちと握手。そして小鳥のローゲ(仮称)が「もう一度会いましょう」と言って去っていったのでした。そうか近い将来に「指輪」をもう一度するんだなと思いつつ、これを見て来た親子は、チケットの価格の高さに仰天し、上演時間の長さに仰天し、何より話が全然違うことに仰天するだろうなあ。


終演後の歌手への拍手は、小鳥役の直野容子が一番大きかったです。出ずっぱりで、はっきり聞こえるセリフと歌(勿論日本語で歌うので間延びした感じになってしまうのはいた仕方ない)、面白い演技ということもあり、明らかなのでした。ただし、前の列に座っていたおじさんはブリュンヒルデ役の高橋知子にブラヴィーを連発していました、きっとファンなのでしょう。

日本語でのオペラは難しいねえ、ENOと同じでソプラノ系は何を歌っているのか分からないことが多いし、旋律は日本語の高低アクセントと合わないしねえ。


なお、8月1日まで毎日午前11時30分、午後3時からAとBのWキャストという懐かしい編成で上演されています。あっ、再来シーズンから若杉がWキャストを復活させるんだった、やめてくれーという感じ。


しかし、まだ書いていない向うでの感想がいっぱいあるのに思わず力を入れて書いてしまった。



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2005.07.26 Tue » 大植のトリスタン@バイロイト

大植指揮のバイロイトでの「トリスタン」をネット録音したら、最後の5分ほどが録音されず切れてしまいがっくりしております。6時間10分間で予約したのですけどねえ、休憩時間やらなんやらが長かったようです。ああ、最後の5分でイゾルデはどうなるんだろう(笑)。

さて、第1幕だけちょこっと聴きました。全部は聴いていませんので、そのつもりでお読みください。

普段の大植自身の指揮との比較は出来ません。彼の指揮は1度だけしか聴いた事がなく、それも今から15年前のこと。師匠バーンスタイン最後の来日公演(日本で事実上最後のコンサート)での2曲目「シンフォニック・ダンス」だけです。

他の演奏との比較といっても、まあ、ネット音質(170kbps)なので大したことは言えませんが、出だしはかなり抑え気味で、音が立たない感じなので、少々アレレとか思ったのですが、途中から徐々に音に勢いが生み出されてきます。若干舞台とオケをあわせるのに苦労しているかな?という感じもありました(盛り上がる部分は、常にオケが声の先を行く感じで、歌手が追いつこうとしているような感じでした)。ただ、録音のせいもありましょうが、この曲の持つ線的な絡み合いを打ち出している感じは中々に私好みです。一方で、ブレンドされた響きとそこから生み出されるえも言えぬ官能性、音の深みやリズムを越えて感じられるうねりのようなものはあまり感じません。イン・テンポで振っている中、時々煽る感じは若干単調さを感じさせます(当方がフルトヴェングラー盤の聴き過ぎか)。少なくとも大失敗で指揮者生命終わりということはなく、一方でセンセーショナルな演奏というわけでもありません(しかしマルク・アルブレヒト@ドレスデンよりは良い)。師匠のようにネトーとした、底なし沼に填まって抜け出せなくなるような演奏ではありませんので、その点は安心して聴けます。

歌手は、第1幕をちょこっと聴いただけなのでイゾルデとブランゲーネについてのみしか言えませんが、このイゾルデ(ニナ・シュテンメ)は実演で聴きたいですねえ。無理の無い良く響く歌詞の聞き取り易い声、若干暗い感じも聴かれるソプラノです。惚れ薬を飲んだ後はどんな声になるのでしょうかね。

続きは週末にでも聞きます。

2005.07.23 Sat » Musical Baton

夕方の地震にはヒヤッとしましたねえ。確か昨日、中央防災会議で首都圏直下型地震に備えた答申だか何だか出たばっかりで、準備も何も出来ていないよ~とか思いながら机の下にもぐりこみました。

さて、今更ながらMusical Batonです。もう下火になっていると思うのですがいかがでしょうかね。バトンはHayesさんからです。

1.Total volume of music files on my computer/コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量

iPod転送用以外では、ネット・ラジオ分だけでしょうか。今のところ320MB(サロネン指揮パリ・オペラ座の「トリスタン」とプロムスでの「ヴァルキューレ」です。サロネン指揮のトリスタンは何とか良い録音が出ないかと願っています)。

2.Song playing right now/今聞いている曲

iPodに入っているデュカ(ス)のピアノ・ソナタです。弾いているのはM.フィンガーハット(CHANDOS)。この曲に関しては、両手に余る程に録音はありませんけど、少なくとも7、8種類聞いたCDの中ではベストの演奏だと思います。もっとも、アムランが録音してくれたら、それがベストになると思いますけどね。

3.The last CD I bought/最後に買ったCD

直近で最後に買ったCDは、エトヴェシュ指揮イェーテボリ管弦楽団、ロンドン・ヴォイスズによるベリオの「シンフォニア」(DG)です。ミュンヘンでの彼の実演も良かったのですけど、この曲の場合はCDの方が聞いていて面白いです。

4. Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me/よく聞く、または特別な思い入れのある5曲

アイヴス:交響曲第4番 小澤指揮ボストン響
リゲティ:弦楽四重奏曲第2番 ラサール弦楽四重奏団
マーラー:交響曲第8番 バーンスタイン指揮 ロンドン響他
マーラー:交響曲第9番 ジュリーニ指揮シカゴ響

ヴェルディ:レクイエム シノーポリ指揮 シュターツカペレ・ドレスデン他

最初4曲は思い入れのある曲と演奏。最後は思い入れのある演奏家。

小澤については色々言われていますが、この演奏(レコード)と中学一年生の頃に出会わなかったら、アイヴスを知るのは大分遅れていたでしょうし、聴いていなかったかもしれないです。その意味でとても重要な一枚。実演も95年に聴きました(演奏は新日po.)。

リゲティを聞き始めるきっかけとなった演奏。今でもこの曲では一番良く聴く演奏であります。非常に美しいです。

所謂「千人の交響曲」。バーンスタインのマーラーならば他にもあるでしょうが、マーラーいやクラシック音楽そのものにのめり込むきっかけは、この録音でした(当時はLP)。中学1年生の7月最後の土曜日の夕方、古典派から初期のロマン派+ブラームスそして国民楽派といった泰西名曲王道路線をゆっくりと歩んでいたはずが、たまたまジャケットに惹かれて図書館から借りて聴いたところ、パウロの回心もかくやというショックを受けました。もう、寝ても覚めても冒頭の主題が忘れられず、マーラーって一体誰?というところから始まって、以後はひたすら「この後」の時代の作品に興味の重心が移って行ったのでした。さらばモーツァルト、さらばブラームス、さらばドヴォルザーク!!

ジュリーニのマーラー9番、中学生3年生の夏休みの友でした。私にとってはこの曲の基準です。長いことCDが出ずやきもきし、出たCDも4楽章冒頭の雑音が盛大でがっくりしましたが、今はその部分も聴きやすくなっています。そのジュリーニもついに亡くなりましたねえ、改めて合掌。
なお、バランスを取るべくレヴァイン指揮のメチャクチャ明るい「夜の歌」も聞いてましたけど、こちらには全く思い入れなし。


このブログが分離する前のHPの頃からごらんの方はご存知の通り、私はシノーポリのファンです。そして2001年2月14日、この曲のCDの元になったコンサート(ドレスデン大空襲メモリアルコンサートの2日目)にも行きました。翌15日にはシノーポリの指揮するR.シュトラウスのオペラ「影の無い女」も見て、バイロイト、ヴィーン、ベルリン、ミラノ、ザルツブルク、ドレスデンと主要な場所を振りまくることがアナウンスされたこともあり、これからはシノーポリの時代となると確信して帰国したのですがねえ。わずか2ヵ月後に54歳の若さで亡くなるとは...。
実はヴェルディのレクイエムは好きではないのですが、私が聴けた最後の彼の振ったコンサートの記録として思い入れはたっぷりあります。でも曲は好きではないのです、何度でも言いますがヴェルディのレクイエムは好きではありません。

5. Five people to whom I'm passing the baton/バトンを渡す5人

冒頭にも書きましたけど、もう下火のようですので、自主的に当ブログが最終ランナーを務めさせて頂きます。

なお、今日は家族と外食をしたので、ミッチー指揮のコンサートには行きませんでした。



2005.07.20 Wed » 光(シュトックハウゼンにあらず)

1日遅れだが、昨日のミッチー指揮読売日響のコンサートの感想を簡単に言えば、「視覚効果にさえぎられてどんな演奏だったか記憶していない」となる。

1曲目 ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」。座った席からは、黒い帯の目立つパート譜が良く見えたが、それ以上にミッチーの奇妙奇天烈な指揮振りに注目・唖然としてしまった。ふにゃらふにゃらと踊っているというか酔拳というか、なんともヘンテコな指揮姿であった。そしてそれに気を取られているうちに曲は終わっていた。

2曲目 武満のカトレーン。始まって、ああいい響きだと思っているうちに爆睡。昨日は無意味に早起きし過ぎてしまい、寝不足だったのだ。ただし、「カトレーン」は好きな曲にもかかわらず、気合を入れないと家ですら聞きながら寝てしまう。

3曲目 スクリャービンの「プロメテウス」。色光ピアノではなかったが、響きにあわせて、様々な光が乱舞していた。しかし、サントリーのLAブロックという座席の位置関係もあろうが、今ひとつインパクトに欠けた(当ブログのテンプレートのような怪しげな感じを期待していたが、それほどではなかった)し、光源が直接目に入って困った。トランペットは良かったと思うが、オルガンは鳴っていたのだろうか?

なお、色光以外にも指揮者の前に白い吹き上げの入った鉢があった。どうやら最後にミッチーが吹き上げさせるはずが、彼は忘れていたようだった。

聴くというより色光(ピアノ)付きの演奏を実際に体験するのが目的だったので良しとしつつ、その後知り合いと飲みに行った(で、帰宅しても更新せずに寝てしまったのだ)。





2005.07.18 Mon » 出費は続く

結局、我が家にあるもう一つの本棚(幅81センチ)を2階から1階の予定地で使い、新たに2階に本棚を買い足すことに決定。

午前中、築10年を迎えんとする我が家のリフォームや家電の買い替え等で今後発生するであろう出費項目を抜書きし、午後から秋葉原等で価格調査を実施した。
総額はCDや楽譜の購入を控えたぐいらいでは間に合わない金額だなあと思いつつ、スピーカーは欲しいし、来年3月にC.シェーファーの歌うケルビーノを聴きにパリには行きたいし、困ったもんだ。

途中、秋葉原のじゃんがらラーメンに寄る。何となくスープが薄いような気がするのは英国のしょっぱい食事に慣れたからであろうか。


明日は、「広島の犠牲者に捧げる哀歌」「カトレーン」「プロメテウス」を聴きにサントリーへ行く予定。はてさて、読売日響の音や如何に?

2005.07.17 Sun » 本棚探して三千里あるいは練馬の祭日

待てど暮らせど船便が届かないとはいえ、本棚が足りないことは明白なので、幅80~85、高さ180程度、奥行き30弱のサイズの物を探して、近隣一体の家具屋を自転車で周り、非常に疲れた。結局、幅90センチあるいは若干小さい75センチの物は多々あったが、希望サイズは見当たらず、池袋にまで出かけてみたても、これまた見つからず徒労に終わった。はてさてどうしよう。


その途中、図書館に寄ろうと光が丘公園をよぎると、夏祭りをしていた。そのイベントととして「よさこい」の競技会のようなものがあったのか、揃いの服を着たグループが何組も見られた。彼らの服装を近くで見るのは初めてだが、その印象ははるか昔に原宿で見た竹の子族を思い起こさせるのであった。派手な服といい、みんなで踊るところといい、どう違うのだろうか?

さらに、彼らがあちこちで練習する中、祭に彩を添えようという意図なのか、子供たちで編成されるマーチング・バンド隊まで幾つも出ていた。彼らがこれまたあちこちで移動しながら練習するので、光が丘公園は、プラータ公園を通り越して、殆どアイヴスの交響曲を聴いているかのような感じであった。


それにしても、電気をつけずに家を歩いていて、壁に頭を思いっきりぶつけてしまい頭痛がひどい。取りあえず、ベリオの「シンフォニア」(エトヴェシュ指揮 DG盤)でも聴いて寝よう。






2005.07.16 Sat » 東京観光その3

週末は東京観光に当てております。神保町-御茶ノ水-銀座というコース。

神保町では、古賀書店-ササキ・レコード-三省堂と周りました。取りあえず読む本はあるし、欲しい古書はないので他の古書店には入らず。古賀書店で中古楽譜のお値段の高さにびっくり。これだったら直輸入した方が安いんでは?と思うお値段でありました。「ブーレーズ音楽論」は欲しかったなあ、「ストラヴィンスキーは生きている」を久方ぶりに読みたかったのだ。しかし6500円だったら、図書館で借りて読むほうが良かろう。

ササキ・レコードも相変わらずの値付けでありました。紛失したか売ってしまったインバル指揮のショスタコーヴィチの4番を発見したので、購入。
三省堂は1階フロアを回っただけで出て、通りを挟んだ別館にてマゼール指揮フィルハーモニアの「ボレロ」を購入。レコ芸で相場さんが紹介していたので興味が沸きました。ついでに別館内にある上島コーヒー店にて、「黒糖アイス・ミルク・コーヒー」を飲みながら、読みかけだった「スノーボール・アース(全地球凍結)」(早川書房)読み終えました。SFではなく地質学の大胆な説の解説本で、「全地球凍結」というのは、「カンブリアの大爆発(「ワンダフル・ライフ」を参照)」に先立って、地球が赤道地帯を含めて完全に氷に覆われていたという説であります。トンデモではないらしいです。

御茶ノ水に移動。カザルス・ホールに差し掛かる頃、風景がどうもおかしいと思ってよく見ると、カザルス・ホール隣のビルが無いのです。さらに明治大学にも新しいビルが建っていて、この当りの印象が3年前とはかなり異なっていました。
オーディオ・ユニオンに入ってみると、欲しいスピーカーが売られていました。しかしそのお値段はペアで80万円(消費税込み)。とても手が出ません。ディスク・ユニオンには欲しいCDもなく、次の目的地である銀座に向いました。

銀座では、京セラ直営店(鳩居堂地下)に初めて行きました。京セラの水性ボールペンを買う予定で入ったら、宝石店だったので間違えたかと思ったら、水性ボールペンも売っていました。京セラがどうして宝石店を営んでいるのかは不思議に思ったものの、ヘタに尋ねてセールスマンに捉まるのも嫌なので早々に退散。
続いてヤマハに行きまして、楽譜の高いことに再度驚きました。これだったら向うでもっと買って帰るんだったと後悔しつつ並木通りを北上し、天賞堂の模型屋を眺め、さらに北の伊東屋に寄り、銀座ショールーム(鉄道模型屋)でメルクリンの会員登録をしてから帰宅。ショールームのお店の人は私を忘れていませんでした(それほどここで買った訳ではないのだけれども)。

銀座はブランド・ショップの巨大な店が幾つも出来たなあという程度でそれほど変った印象は受けなかったのでした。



2005.07.14 Thu » 「人生いろいろ 保険もいろいろ」

と会社近くの郵便局内の保険商品売り場の壁に掲げられていた。中々にユーモアがある郵便局である、これなら民営化も乗り切れるのではないだろうか。



ようやく「ブーレーズは語る」(青土社)を読み終える。インタビュー集ということもあり、他の著作(最近では「標柱」のような)難しい言葉をあまり使わず、とても読みやすい。

内容的には、ヴァーグナーへの言及とその音楽についての賞賛の言葉が多い。機会があれば「マイスタージンガー」を振ってみたいと何度か言及している(ブーレーズが最初に見たオペラで、好きだそうだ)。ヴェルディについても、「オテロ」や「フォルスタッフ」のいずれかを指揮せざるを得なくなったら(何故?)、「フォルスタッフ」を選ぶが、それでも「マイスター」を指揮できるならばそちらを選ぶ述べている。
なお、「運命の力」序曲を振って引退する点についての言及はない。

その他、面白いのは「ボリス・ゴドノフ」にも興味を持っていたことであろう。20世紀初頭、ディアギレフによって紹介されたムソルグスキーの響き(実際はリムスキー・コルサコフ版だったらしい)にドビュッシーほか当時のフランス人が魅了されようにブーレーズも魅了されたのだろうか?彼の振る「ボリス」というのはどんな演奏になるか非常に興味深いが、実現の可能性は低いだろう。

ヘイワースによるクレンペラーの伝記にも書かれていたと記憶しているが、クレンペラーがブーレーズの振る「水の太陽」のリハーサルに来ていたことに言及している。因みに、ブーレーズがクレンペラーが作曲をしていることを知ったのは、知り合ってから大分後になってからであると述べている。ただし、作品への言及や評価はない。


これから水野修孝の交響曲第3番を聴いてから寝るつもり。一体どんな曲やら。




2005.07.11 Mon » 楽しい会とその後の行動

大学時代のサークルの友人達が、私の帰国を機にランチ会を開いてくれた。

渋谷の高速より南側にあるフレンチであったが、味も良く、ワインをはじめとして値段も良心的で良い店であった。それよりも何よりも、集った仲間が、私を含めて、昔と全く変っていないのは嬉しかった。集まった人の半分近くが近年まで海外滞在経験者だったので、海外話が多かったほか、既婚者が多かったこともあり、赤ちゃんの写真の見せびらかし合いなどをして盛り上がったのだった。

散会後、渋谷タワーに行き、CSOの自主制作盤(ブーレーズ)他CD数枚とDVD(クセナキスのLa Legende d'Eer)を購入。DVDは、5.1チャンネルでこそ効果のでる(らしい)クセナキス作品を再現する環境が我が家にはないのを承知で購入。将来、シュトックハウゼンの「少年の歌」や「グルッペン」「カレ」、あるいはブーレーズの「レポン」といった作品までもがDVD5.1チャンネルで売り出されたら、購入を検討せねば。

続いて、3年前には無かった六本木ヒルズに行った。渋谷から半蔵門線と大江戸線でいくと、駅からヒルズまでかなり地上を歩かされるのには閉口した。

フィリップス美術館展を見てから展望台他を見物。周囲にまだ超高層ビルが無いので、眺めは非常に良い。展望台には、当然若いカップルや子供連れが数多くいた。その他に外国人や老夫婦がコーヒをゆったりと飲みながら、西日に照らされ若干霞んだ東京の街並みを眺めていた。展望台・美術館あわせて2000円は、まあ安くはないが、高くもないというところか。

ヒルズの中のショップは特段期待していなかった。しかし、英記茶荘の本店が移転していたり、時間が押していて食さなかったが美味しそうな中華饅頭の専門店があったので、また行く気になるものであった。

2005.07.09 Sat » 墓参りとスピーカー選び

午前中からお昼にかけて、東武東上線武蔵嵐山にある我が家の墓参りに母と共に出かける。祖母が亡くなった後に建てた墓はまだ真新しく、そこに刻まれる名前も祖母と父だけである。墓を水洗いし、花を飾り、線香を焚く。

墓のある武蔵嵐山から池袋に戻り、母と昼食をとった。久しぶりに食べる日本のてんぷらはとても美味しい。その後、母は帰宅し、私は秋葉原に向う。今年1月末に一時帰国した際も、銀行関係の手続きで秋葉原に来た。非常に慌しく、CDショップに少し寄れた程度であった。今回はゆったりと「観光」ができた。

野郎だらけである、異常だ。そして、巨大なデジタルTVとDVDが非常に幅をきかせている。そしてPCが高性能で安い。秋葉原は「萌え」の街と言われているらしいが、正直なところそっち方面には興味が無いので、無視。

たまたまハイエンド・オーディオ・ショップが目に付いたので、スピーカーでも試聴しようと入ってみる。試聴用CDにコンセルトヘボウ・ライブのハイティンク指揮のブルックナーの8番にする。これは自分も聞いたコンサートなので、音のイメージはある。取りあえず、お値段的にこれが上限かなというスピーカー(B&W804S)で聞いてみる、「あれ?」。

非常にくぐもった、内向きの湿った音が出てくる。音の分離が悪く団子状態で、空間性にも欠ける。確かにあのホールは響くが、こんな音では無かった。録音が悪いせいかもしれなと、同じシリーズでもう一つ上位機種(B&W803S)に切り替えてもらう。「おお、これだ!」


しかし、予算上限と上位機種のお値段との間には、30万円近い差があるのだった。困った。

2005.07.08 Fri » カクシュカ氏逝去

下記のロンドンの爆弾テロとは無関係だが、新聞報道によるとアルバン・ベルクSQのヴィオラ奏者カクシュカ氏が亡くなったとのこと。64歳であった(最初に見た元ネタはここ)。

病で倒れた後、復活してロンドンでのアルバン・ベルクSQの演奏で彼を見た。そのときの印象記はHPの2005年2月25日に書いたのでくどくど繰り返さないが、実に痛々しかった。そして、予感していたとはいえ、あまりに早く、かつ引退ではなく死という形でその時が来るとは思ってもいなかった。

様々な録音とコンサートを通じて私の人生を豊かにしてくれた故人の冥福を祈ります。

2005.07.08 Fri » テロ

暗澹たる気分でありますし、帰国していなかったらと思うと慄然とします。

幸い、かつて務めていた事務所からは、被害者は出ていないのですが、現時点で50人近い死者と300人以上の負傷者を出しています。テロの非情さと不条理な死に対して、憤りを感じます。また、チューブで何か起きた場合、逃げ場はありません。窓は開きませんし、多くの路線はトンネルと車両の間に隙間が殆どないのです。今回テロのあった路線は、幸い露天掘りでトンネルが掘られた最古の路線の一つであったため、車両もトンネルも他の路線より大きいほか、地上を走る部分もあるので、多少は逃げ場もあったでしょうが、それにしても閉鎖された空間での事故の恐怖は例えようが無いと思われます。

正直に言えば、事件が報じられた当初は、例の如くチューブの信号かポイントのどこかがショートした、あるいはしょっちゅうある火災感知器の誤作動程度だろうくらいに思っていました。しかし、2階建てバスまで何台も爆破されたので、これは違うぞと思ったら、テロでした。


テロが起きた場所は、ピカデリー・ライン、そしてハマースミス・シティー・ライン、サークル・ライン、メトロポリタン・ラインが乗り入れており、ベーカー・ストリート駅からムーア・ゲート駅まで通勤に利用していた私も、爆発の生じた時刻からみて、帰国していなければ、巻き込まれていたかもと思うと、他人事とはとても思えません。


亡くなられた方の冥福と、負傷された方々の回復、そして犯人の早急な逮捕を願っています。

2005.07.06 Wed » 2012年ロンドン・オリンピック(特段目出度くないけど)

帰宅したら、2012年のオリンピック開催都市がロンドンに決まっていた。TVでは、懐かしのトラファルガー広場で喜ぶ人々の映像が流れていた。つい2週間前まで、あそこを歩いていたとはとても思えないほど遠く感じた。

開催都市の最有力候補はパリで、ロンドンはかなり差を開けられていたはずが、蓋を開けたら大逆転であった。街をあげての招致活動の熱心さは、パリよりもロンドンの方に分があると感じていた。しかし、ロンドンの交通の不便さを考えると結局はパリだろうと思っていたので、少し驚いた。

フランスは、EU憲法批准の否決に続いて欧州域内での地盤沈下を晒してしまった。明日から始まるらしいスコットランドの山の中でのサミットは、「食い物のまずい国は信用できない」byシラク仏大統領発言もあり、かなり荒れそうだ。

ともかく、ロンドン・オリンピックの開会式の音楽を誰に頼むのかは興味がある。アデスかタヴナーか?私としてはタネジだと面白いと思うのだが(で、指揮はラトル)。





2005.07.04 Mon » 祝、発見!

失なったとばかり思っていた「20世紀音楽市の興亡」用データ・ベースを発見。久しぶりにHP本体を更新・修正しました。目指せ、1週1年更新!!

さて、更新年は、ちょうど半世紀前の1955年。ブーレーズの「ルー・マルトー」とクセナキスの「メタスタシス」が初演された年です(日付不明で省略しましたけど、ベリオとマデルナがミラノに電子音楽スタジオを設立した年でもあるらしいです)。

この年でもう一つ重要な事件は、いわゆる真ん中の「ラ」の音が435ヘルツから440ヘルツに変更になったことでしょう。

はて、そうすると、ブーレーズの「ルー・マルトー」は435ヘルツと440ヘルツのどちらで演奏するのでしょうかねえ。

2005.07.03 Sun » ピアノの鍵盤を久しぶりに叩く

久しぶりにピアノの鍵盤を叩いてみたが、非常に重かった。かつて持っていたピアノよりも軽い鍵盤の物にしたはずなのに、3年の間にさらに指(というよりは腕の筋肉)が衰えたに違いない。いずれチッカリングのピアノでないと弾けなくなったりして。

ピアノを弾いていると、たとえそれがハノンであったとしても、何か普段使わないような部分の脳が活性化された感じがする、特に右手の第四指と第五指を使う時に何か違うと思うのであった。なぜかと思っていると、PCを使う時、私は右手の第四指、第五指を殆ど使っていないことに関係しているような気がするのだが、どうだろうか(左手の第四、第五はPCを使う時には使っている)。

午後から新宿に出かける。非常に人が多い。ロンドンもそれなりに人が多かったが、これほどまではいない。さらに、東洋人ばかりである(といって違和感はないのだけど)。ロンドンは白人以外の東洋人、インド人、アフリカ人、アラブ人が非常に目立つ、まあ植民地をそれだけ抱えていたのだから、彼らが帝国の首都にやってくるのを拒む理由を白系英国人は持っていないはずである。

新宿では、ロンドンに無くて困った東急ハンズでこまごまとしたものを買う。一つくらいこういう店がオックスフォード・ストリート駅近辺にあれば便利だっただがねえ(もっともお値段は日本の2倍以上になろうが)。

これから楽譜の整理を行なう予定なのだが、すでにしてバルトークのピアノ協奏曲第1番の楽譜をブージーとフィルハーモニアの2種類持っていることを知る。我ながら意味不明である。

2005.07.03 Sun » 帰国前1週間および帰国後の1週間

ブログに移行しました。しかしその中身は、例の如くだらだらと日々の記録を書き連ねるものに変わりありません。


さて、帰国前の1週間に行ったドレスデン、ベルリンのオペラ・コンサートはいずれも素晴らしかったです。

18日(土)ドレスデンでの「アラベラ」。タイトル・ロールを歌ったアンゲラ・デノケの歌唱は、このオペラの主役はまさにアラベラなんだなあとあらためて思わせてくれる、素晴らしく透き通った、細かい感情の移ろいを感じさせるもので、特に許しの場面における神々しさと場の雰囲気の変化は、シュトラウスのつけた音楽ともども感動的でした(これまで主役は「ズデンカ」なのでは?と思う演奏ばかりでした)。

ロンドンの知り合いとドレスデンでばったり会ったので、終演後、デノケ、指揮(ペーター・シュナイダー)、オケともども素晴らしかったと祝杯を挙げました(ただ、デノケは最近ちと歌い過ぎなのが気になるなあとお互いに心配はしましたけど)。なお、彼女は、来シーズンのコヴェント・ガーデンに初デビューだそうで、その演目がシェーンベルクのモノ・ドラマ「期待」、何でまたこの曲なのだろうか?と思う一方で、ベルクの「ヴォツェック」の録音(マリー役)から想像するに、さぞや壮絶なものになるだろうと思います。ああ、聞きたい。

続いて翌日の「薔薇の騎士」は、何よりもドレスデンの音が素晴らしい、R.シュトラウスはこの音が欲しかったに違いないと勝手に確信しました。指揮のボーダーは、カルロス親子に慣れていると違和感を感じる所も多かったのですけど、まあオケの美しさ、シーンを壊さない点で及第点以上の出来でありました。歌手はゾフィーにハンブルクの「ルル」役スヴェンソンが出ており、C.シェーファーのゾフィー同様に知的でしっかりした娘という感じ。元帥夫人役は、実年齢に近い若々しい感じの中に威厳を持ち、声が若干小さいことを除けば、私はとても気に入りました。

20日のベルリン・ドイツ・オペラ、月曜日とはいえ唖然とする程客がいない。2階席はかつての川崎球場のようにお客さんが数えられる程。もっとも、アニヤ・シリア演じる「マクロプロス事件」の素晴らしさにはいささかも影響しませんでした。演出はすでにDVDで売り出されている、アニヤ・シリア自身が出ているグライドボーンでの上演と同じ。

アニヤ・シリアは御年70歳、20歳前にバイロイト音楽祭に登場したという、ある意味でとんでもない歌手。ロンドンに行くまではクレンペラー指揮の「オランダ人」(EMI)のゼンタ役を歌っていたので、40年近く昔の歌手というイメージしかなく、すでに引退あるいは亡くなったとばかり思っていたので、まだ歌っていたことには驚きました。初めて聞いたのは2003年夏のルツェルン音楽祭でのシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」。C.シェーファーのキャンセル(その年の秋に亡くなったご主人の付き添いのため)を受けて、代役で登場。私は最初同姓同名の人かと思っていたのですが、ご本人でした。かなり崩した歌い方ではありました(ブーレーズがどんな気分でオケ振っていたのか知りたいものです)。その秋のパリでの「ルル」のゲシュヴィッツ伯爵令嬢は聞けませんでしたが、「カルメル派修道女」でも出ていたと記憶しています。そして今晩の「マクロプロス」で主役。

DVDのカバーに見られるように、彼女は、第1幕第2場でド派手な衣装を着て登場しました。DVDを見た際は、一体どんなオペラ(エミリア・マクロプロスはオペラ歌手という設定)を歌ったことにしたのだろうと疑問に思っていたのですが、今は「ルル」だと思っています。というのも、この2週間前にアムステルダムで見たハンブルク州立歌劇場引越公演の「ルル」のパンフレットに、同劇場での上演史を写真入りで紹介しており、その中にほぼ同じ格好で「ルル」役を演じている彼女の写真がありました(第1幕最後)。

もっとも、「マクロプロス事件」の設定は1922年のプラハなので、「ルル」どころか「ヴォツェック」すらまだ上演されていません。ただ、40年以上昔の「ルル」の格好を真似たとしたら、370年以上生きたオペラ歌手という設定と、半世紀以上にわたる長い芸歴も大分終わりに近づいた彼女の存在とを重ね合わせた上手いお遊びだと思います。

さて、肝心の声のほうですが、予想外に出ていました。勿論艶は大分失われていましたし、声もそれほど通るわけではない(もっとも、他の歌手も通っていなかった)のですが、そこは演技と歌い口の上手さという、「370年生きればあなたもエミリア・マクロプロスのような歌手になれるわ」(第2幕最終シーン)を地で行って、年齢によって失われたものを年齢を重ねることによって得たものでカバーしていました。

指揮はM.アルブレヒト。パリでのヤナーチェクの「死の家の記録」(6月12日)ともども、あまり轟音公害を引き起こしていませんでした。ただ、アバド(死の家の記録@ザルツブルク)やマッケラスと比較すると、どうもオケの切れが悪く、ヤナーチェクのオーケストレーションの醍醐味やリズミカルな感じ(あるいはマイケル・ナイマンがパクッたと思うミニマルっぽさ)があまり感じられない演奏でした。

終演後の拍手はもっぱら彼女に向けられていたのでした、おじいさん、おばあさんが多く立ち上がっていました、彼女の半世紀近ファン達なのでしょう。

22日、ベルリンpo.によるストラヴィンスキーの「結婚」、そしてハイドンの「ハルモニー・ミサ」。指揮はラトル。売り切れだったので、コンシェルジェに頼んだら、100ユーロでBブロック10列25番という一度は座ってみたかったど真ん中の席を用意してくれました(帰国したらフジ・サンケイ・グループから今秋に来日するラトル&ベルリンpo.の案内が来ていて、お値段を見てそのままゴミ箱に捨てました。幾らなんでもあまりに高過ぎる)。
まず、「結婚」。ベルリンpo.の打楽器奏者6名にピアノをアデス(1)、フォークト(2)、ラベック姉妹(3&4)、それにいつもの合唱団という編成。ベルリンpoを聴きに来て、これは無いだろうと思う人もいたのか、チケット売り切れの割には空席がありましたけど、ブーレーズ指揮アンサンブル・アンテルコンタンポランの機械仕掛けのような演奏、ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管弦楽団によるドロドロとした土俗的な演奏に対してスタイリッシュで、音の仕掛けやリズムの切れのよさを満喫できる名演でした。

続くハルモニー・メッセは、小型の編成。全体にきりりと引き締まり、ハイドンの持つ軽さと上品なユーモア、あるいは宗教作品でありながらも宗教的な面を離れた喜遊的な面をより浮かび上がらせた聞いていて楽しい演奏でした。来日公演でもハイドンのミサ曲をを取り上げてくれればと思うのですがねえ。

翌22日にロンドンに戻り、バービカン・センターにてプレヴィン指揮、ムター独奏、ロンドン響によるコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲、そして在英最後のコンサートに相応しくウォルトンの交響曲第1番を聴きました。
プレヴィンの足取りは前週のコンサートの時点よりは良くなっていましたが、相変わらず摺り足でした。ムターはステージに出る時はさっさと歩いてプレヴィン登場を待ち、帰りは階段のところで待ち合わせて腕を取っていました。コルンゴルトの演奏の方は、あまり聞かない曲ではありましたが、聴き応えは十分の演奏でした。

続くウォルトンの1番は、4楽章が他の楽章に比較して凝集力や展開力に欠ける嫌いがあるものの、シベリウスとエルガーをよく研究したようなこの曲を、とても75歳の老人とは思えぬ、雄渾で壮麗、確信と覇気に満ちたすばらしい演奏で聞かせてくれました。プレヴィン盤はまだ持っていないので、どこかで買う予定であります。

23日、24日は楽譜屋とみやげ物ツアー(と若干のお仕事)。ブージ&ホークスがウィグモア・ホールから数十m東の同じ通り沿いに新本店を出したので、ディーリアスの「人生のミサ」を買いに出かけましたが、殆どフルスコアは取り扱っていませんでした。ただ、バーゲンと称して売れ残りの楽譜を半額で売っていて、ヴァレーズやノーノの楽譜をあわせて5、6冊購入。続いてボンド・ストリートの楽譜店で、バックスのピアノ・ソナタ第3番、第4番およびブライアンの交響曲第2番「ゴシック」の楽譜を購入。3年前に来てから棚に置かれっぱなしでしたので、この際と購入。確か世界最大の交響曲とギネスに書かれていたはず。
その後、本命?ユニヴァーサル&ショットの店に行き、シュレーカー、リゲティ(練習曲第3巻が入荷していた!)他多数を購入。このほかに紅茶やら洋服やらなんやらお土産を購入したので、非常に重い手荷物となってしまいました

帰国後、2日ほど休みを取って諸手続き。戸籍制度に振り回されていまだ遺産相続できずという状況であります。改製原戸籍というのは非常に下らない、非効率、非合理な制度であります。何で東京で死んだ人間の戸籍を、島根の役場に請求せねばならんのだ?あっ、免許証の再発行を忘れていた。


7月2日は大阪のいずみホールにて、アイヴスの3番交響曲、西村の新作(ピアノ協奏曲)を含むコンサートがあったのですが、財政状況が極めて厳しいことに加えて、来るべき船便を迎えるべく部屋の掃除・整理整頓を行なわなくてはならず、行くことを断念しました。

大掃除後、本棚をもう一つ購入する必要があるということが分かったのですが、財政難のおり、その費用をどのように捻出するかが目下最大の問題です。

これから、ネット・ラジオでサロネン指揮パリ・オペラ座の「トリスタン」が放送されるというので、頑張って録音しようかと思っています。ただ、ネット・ラジオ録音用ソフトNet Transporterのタイマー機能が上手く作動せず、寝ずの番をせざるを得ません。まあ、バスティーユで過ごした時間からすれば短いので耐えられますけどね。

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AUTHOR : St.Ives

No hay caminos, hay que caminar...

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