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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2008.05.31 Sat » 求む書名

どうも、本日は雨の中神保町から新宿をさまよっていたSt.Ivesです。


空をつかむようなとしか言えない事情で、これまで読んだ本やDVD、美術館の図版等を幾つか読み返さなくてならず、困ったような楽しいような状況です。

大昔に読んだきりで我が家に最早無いというものも多くて、本日は購入したばかりのケストナーの「エーミールと探偵達」を30数年ぶりに読んでしまいました(昔の岩波のでっかい本では「エミール」だったはず)。いやあ、子供がみんなこんな感じだったら怖いよなあと思いつつ、大人としてはこんな子供がいたらいいよなあとか、エーミールの家庭環境はケストナーの子供の頃の反映だったんだなあとか、エーミールはノイシュタットに住んでいてそこからベルリンに向かったのかと、懐かしさと共に新たな発見を楽しんだのでした。

で、読み返さなくてはならないにもかかわらず、出版社、表題が分からない本が多々あり、例えば、四半世紀前に読んだ「スペイン内戦」に関する新書、岩波の青版だったはずなんですが家で見つからなず、またそれに類似した物も見つからず、中公新書と勘違いしていたのか?とか、中学3年生の時のレポートで使ったワイマール共和国の歴史を扱った本の一つで、第一次世界大戦中のドイツ帝国の皇帝と財務大臣か中央銀行総裁の会話が掲載されていた本はどれだったか(アイクの「ワイマール共和国史」だったような、明日にでも図書館で調べないと)。ショーの「メトセラへ帰れ」やシェークスピアの「ジョン王」も図書館から借りないといかんし、時間を食うのは困ったもんであります。



明日はABQのラスト・コンサートに行くSt.Ivesでした。私にとっては2005年2月、亡きカクシュカが参加していたコンサート以来の2度目、そして本当のラストコンサートとなります。
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2008.05.29 Thu » 黄昏から闇夜へか?

どうも、ムストネンのギター・ソナタを聴きながらのSt.Ivesです。同じモチーフが繰り返され、侘しさ漂う出だしです。


早川書房からこの5月に出た「人類が消えた世界」、原書は昨年出版されたそうですが、四半世紀も昔に読んだ(眺めた?)"After Man"よりも興味深い、いや暗鬱たる気分にさせられました(記述は明晰で、エピソードも豊富、科学的な知識が無くても読めます)。

人類が消えた世界


突然日常生活を送っていた人類が消えたら世界はどうなるか?という疑問に答えるべく、人類後の世界を描くには「今」がどうなっているかを描かなくてはならないと、これでもかと現在の地球環境が描かれています。筆者は決して声高に語らず、事実を集めて来て提示するだけなのですが、それは人類はその歴史の真昼に立っていると思っているが、実は黄昏時に佇んでいると感じさせる内容と迫力あるものでした。さらに、黄昏から闇夜に我々が入り、そして消え果てもも、プラスチック(あるいはゴムタイヤなど石油由来の物質)、PCBやDDTそして核廃棄物が、気が遠くなるほど遠い将来まで、人類滅亡後まで環境に影響を及ぼしていくという事実に、私は眩暈を覚えました。果たして他の生命体に夜明けが来るのか?筆者は自然の再生力あるいは適応能力に期待していますが、その時に存在する生物は我々の慣れ親しんだものからは大きく異なったものになっているでしょう。あるいは、人類は、将来もしかすれば、生態系自体をそういう環境にあわせて改良して自然環境の「浄化」を行わせるかもしれませんが、それにしても現在の動植物を道連れにしていることには変わりありません。


同書では音楽についても少しだけ触れています。「時を超える芸術」の章、将来における人類の痕跡についての検討を行う章の一つにおいて、ボイジャーに積み込まれた金メッキされた銅板レコードに、バイエルン州立歌劇場管弦楽団の演奏でエッダ・モーザーの歌う「魔笛」の「夜の女王のアリア」が収録されたいきさつに触れています。その中で、キルケゴールの次の言葉が引用されています。

「モーツァルトは、あの小さな不滅の音楽隊に仲間入りする。その音楽隊の名前、その作品が、時間と共に忘れ去られることはない。それらは永遠に記憶に残るのだから」 (同書P.369)


しかし、聴く人がいなくなったら?



アメリカの核の墓場に、遠い将来、何万年も後ですら誰か(人類以外の知的生命体を含む)がそこに危険な何かが貯蔵されていることを分かるようにと努力している姿に、世界がひっくり返って立っているような気がしたSt.Ivesでした。何かおかしくないですか?

2008.05.25 Sun » 雨の日なのでCDを聴いて過ごす。

どうも、昨日の大雨予想で本日は家に篭っていたSt.Ivesです。午後から雨が上がるとは、モジリアーニに行けばよかったか。



本日は、ドナウエッシンゲン音楽祭2006の3枚と交互に「田園」を聴いて過ごしました。プレトニョフ指揮ロシア国立の演奏が真っ当に聞こえて、アバド指揮VPOが異常に遅くて表情付けに乏しい演奏に聞こえてしまったのはまずいでしょうかね。ブロムシュテット指揮DSKは演奏の安定感やテンポ設定も私には適切でよござんした。

ドナウエッシンゲンの3枚は、Vol.2のハースとWandmannの作品は好み。ハースは実演で聴きたいですなあ、4つのオケってカレですかという感じ。Vol.1の弦楽四重素曲集、第1曲目のノルウェー人の作品はどこかで誰かの似た作品を聴いたような気もしますけど、まあいいかなと。一方リームの作品は、第1部は別にリームが書かなくてもいいんじゃない?という感じ。Vol.3は、フライブルクバロックオーケストラがモダン・オケと共演する2作品で、いずれもアイデア一本勝負に近くて、1回は面白いと思ったけど、2回、3回目は聴くのが辛そう。テレマンの原曲は聞いてみたいけどね、50枚セットに入っているかな?

その後、夕食の時間までのハーンの弾くエルガーのヴァイオリン協奏曲を聴きまして、やはり天才ですな(実演ではあれほどヴァイオリンは大きくは聞こえませんでしたけど)。


現在はBelceaQuartetによるバルトークの弦楽四重奏曲集を聴いているSt.Ivesでした。

2008.05.24 Sat » 海水浴に行く

どうも、来シーズンの予定を埋めつつあるSt.Ivesです。

そんな中、本屋に寄ってガウスとフンボルトが主人公という小説(そういえばカントが主人公の推理小説もあったなあ)と「逃げさる女」を買おうと思ったら、そこに、またもや高額な絵本がありました。

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あれだけ言葉を使って書いたものが、絵だとあっという間に描写されてしまう、かつイメージが固定化してしまうとは(駅はどうみても現オルセー美術館のようなんだけど、原作はどう書いていたかなあ?)。ともかく、三度目の海水浴に無事にいけました、めでたしめでたし、じゃなくて集英社版でも読まなくては!


最近はプレトニョフの「田園」にはまっているSt.Ivesでした。何回聴いても笑える。

2008.05.17 Sat » 本日の記録

どうも、プレトニョフのベートーヴェン交響曲全集を聞きながらのSt.Ivesです。聴いていてもう何度も笑い出しそうになりました。気紛れとしか言いようがありませんが、オケがそれにもかかわらずきちんと弾いているのが不気味です。


本日は、朝に凸版ホールに行き、ハーゲンSQの10月1日公演のチケット購入(本日は会員売出日)。
上野にバスで出て、まず国立博物館内の法隆寺館1階のレストランで昼食。昼からシメイ(ベルギー・ビール)を飲んでしまう。

腹ごしらえの後、薬師寺展に。日光・月光ばかり取り上げられていますけど、実は吉兆天も来ていますして、何故あまり宣伝しないのかが不思議。名前が時期的によろしくないからか。まさかこれも使いまわしというわけでは無かろうに。ともかく仏像に関心があまり無い身にも肉感的で美しいと感じさせたのでした。

その後、東京藝術大学美術館のBAUHAUS展に。国内での本格的なBAUHAUS展覧会は13年ぶりとのこと。ということは末期の池袋セゾン美術館での展示以来ということですか。懐かしいシュレンマーのビデオも流れておりました。大学での展示ということもありましょうが、作品そのものよりもそこでどのようなことが教えられていたかに即した展示という感が強かったです。

そこから御茶ノ水の「組合」にいき、現在聞いているCDを購入。すでに6番、8番、2番と聴きましたが、これは何ですか?という感じです。そこで知り合いに出会って挨拶。

坂を下って神保町に。古賀書店、ササキレコードに寄ったものの目的物はなく、帰宅。幸い雷雨に会わず。


明日はモディリアーニだ!という気力は湧かないSt.Ivesでした。

2008.05.17 Sat » マントラは見るべし

どうも、通勤電車の中で「消え去ったアルベルチーヌ」を読み終えたSt.Ivesです。幾らなんでも早すぎるとお思いのあなた、いや、フランス語は読めないのに何故か「失われた時を求めて」が好きなあなた、読んだら驚くと思いますよ。ということで、明日にでも海水浴からこの巻まで飛ばして読むべく集英社版を買いに行こうかと思っています。読んでいる最中は記憶を蘇らせるべくマドレーヌを食べたくなりましたよ。


それはともかく、東京ウィメンズ・プラザ@青山で行われたアンサンブル・モデルンのメンバーによるシュトックハウゼン追悼コンサートについて。

開始前や休憩時間、はしゃぎ続ける近隣のシュトックハウゼン・オタク夫婦の会話にうんざりし(全部の楽譜持って来るなあ!客席では暗くて見えないのは当たり前だろ!)、後ろの方で、のべつまくなく建築家の磯崎新に話しかけ、磯崎がブーレーズの「レポン」東京公演の話をしたら、秋吉台にそれに適した建物がありますよ、って本人が設計したのを知らんのか!と思わせた「構造と力」の作者@京都造形芸術大学のおしゃべりにうんざりしつつ(因みに磯崎は華麗にスルー)始まった公演は、結構面白かったので助かりました。

演目
ソロ(1966) 独奏旋律楽器とフィードバックのための
クロイツシュピール(1951) オーボエ、バスクラリネット、ピアノ3打楽器奏者のための
小さなハルレキン(1975) クラリネットのための(日本初演)
マントラ(1970)2台のピアノのための

クロイツシュピールは私の好みで演奏にも満足したのですが、パフォーマンスを含めるとトリに置かれたマントラが白眉の演奏会でありました。いやあ、録音だけではあの「まじめなおかしさ」は分かりませんねえ。しつこい同一フレーズの繰り返しは、悪ガキ二人が意地を張り合っているというか勝負しているかのような感じですし、小型の打楽器類を打ち叩きながらあれだけのピアノを弾くのは、下手にシュトックハウゼンが楽譜でパフォーマンスを指定している作品よりも見ていて面白いです。そして何よりもあれだけの時間、パワフルに弾きまくるのに感嘆したのでありました。


タケメモのライヒのチケットは取りそこなったSt.Ivesでした。

2008.05.16 Fri » 「木曜日だった男」を木曜日のうちに読了

どうも、光文社まで全訳始めるのかなあと思ったら第6編だけでホッとしたSt.Ivesです。


ということで、チェスタトンの「木曜日だった男」をあっけなく読み終えて(で、あっけない幕切れにきょとんとし)、いまだ集英社版の全集では海水浴にも出かけていないのに、「逃げ去る女」「消え去ったアルベルチーヌ」に取り掛かっています。それにしても、「私」は金持ちでええなあというのが何回読んでも思うのでした。ただ、サロンって全然楽しそうに見えないんだけどね。


これからフランクのヴァイオリン・ソナタでも聴いて寝ようかと思うSt.Ivesでした。




2008.05.14 Wed » CD購入記録

どうも、ポール・グリフィス脚本の"General"とかいう音楽劇を聞きながらのSt.Ivesです。

というわけで、本日は記録のために単に購入したCDのジャケット写真を順に載せています。
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ラウタヴァーラとオリ・ムストネンの作品。変態ピアニストの彼がどんな曲を作っているのかと期待度大です。



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シャリーノのローエングリン。昔、持っていたのとは違うようです。



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現在聞いています。1枚目がGenaralで、分かり易い英語で喋っています。BBCラジオ劇みたいな感じ。2枚目は「運命」ほか。



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「熱狂」で聴きそこなったMantovaniの作品集



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新生アルテミスSQによるシューべルトの12番(2楽章も入っています)と弦楽五重奏曲。新生になってアンサンブルが悪くなった、とか言えるほど聴いていません。



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ウォーリネンのダンテ三部作の室内楽版。でも原曲を知らない。



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フックスという人の作品集。単に1曲目のUnited Artistsという曲名に惹かれて購入。



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フランチェスコーニ作品集。若いと思っていたら、もう50を越えていたとは。


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フラー作品集。2回通して聴いたけど印象が残っていないのは健忘症のためだろうか。


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Stier作品集。顔はどこかで見た記憶があるのだが。


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クルシェネクの室内作品集。



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M.ペーターゼンが歌う「四季」。


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シューベルトの幻想とラッヘンマンという「熱狂の日」らしいプロ。


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アンデルジェフスキーの弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番他



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ロジェヴェンによるロシア近代管弦楽曲集


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ベームとシリアのルル


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テイトとファスベンダーのルル、あれ?


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ベルーチャSQによるシューベルト。こんなに早く廉価盤になると、正規盤を買う人がいなくなると思うのですが。


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ガスティネルの弾く、バッハのチェロ組曲。若々しくてよござんす。


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M.ペーターゼンの歌うブラームス歌曲集。


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アンスネスの弾くシューベルト。CCCDではありません。



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エマーソンSQの演奏する平均律抜粋。極めてつまらなかった記憶が。


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50枚。解説なしはきつい。


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パシフィカSQによるヤナーチェク、シーガー、ヒンデミットのSQ


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ホリガー作品集2枚組み。面白い。



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尾高と札響によるエルガーの3番と威風堂々第6番の組み合わせ。





このほかに画像がないのですが、クレンペラーの振るブラームス交響曲全集(EMI)、フリッターの弾くショパン集(EMI)、ウルマンの5番(カプリッチョ)、そしてFabian Mullerとかいう人の作品集のCD(カプリッチョ)も購入しています。



もう寝ようかと思うSt.Ivesでした。








2008.05.14 Wed » カーター弦楽四重奏曲第1番、第5番

どうも、あまりの寒さにしまいこんだ冬物を出そうかと思いつつシューベルトの弦楽四重奏曲第12番を聴いているSt.Ivesです。演奏は新生ARTEMIS SQです。


連休中にCDをたっぷり聴けるかと思ったらあにはからんや、「熱狂の日」と「軍人たち」でつぶれてしまい、積読状態のところに新たに幾つかCDを購入してしまい、果たして今年中に今年購入したCDを聴き切れるかだろうかと自問自答中であります。そんな中、届いたのがNAXOSから登場したパシフィカSQによるカーターの弦楽四重奏曲第1番と第5番。


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このCDについては、レコード芸術5月号を読まれた方は、現代音楽部門で長木氏にけちょんけちょんに批判された直後に掲載された「追跡レポート」において、「パシフィカ四重奏団がエリオット・カーター弦楽四重奏曲全曲レコーディングをスタート」と題して渡辺和氏に好意的に取り上げられておりまして、注文した後にレコ芸の当該記事を読み、2004年の全曲演奏会に行っていない身としては、一体どうなんだろうという好奇心が沸いたのでありました。


さて、1番については、手元には新登場したパシフィカSQのほかには、ジュリアードSQ(SONY S2K47229)、アルディッティSQ(ETCETRA KTC 1065)が、5番についてはアルディッティSQ(AUVIDIS MONTAIGNE MO782091)があります。レコ芸によればアルディッティSQの5番の方は廃盤になっていて、現在はパシフィカSQでしか5番は聞けないらしいです。なお、いずれのCDもカーターが何らかの形で関与しています。トゥーランガリーラ交響曲でのメシアンのようなもんですな(果たしてそれは良いことなんでしょうかね?)。


まずは5番。これは一聴して明らかにアルディッティSQの方が格段に良いです。特にそれを如実に感じるのは、楽譜に指定されているスナップ・ピチカートの弾き方や、第6セクションPresto scorrevole(二分音符=133、ブージーの全集P.357~)での奏者の音の揃え方、あるいは第10セクションAdagio sereno(四分音符=48、同p.373~)でのフラジオレット(ハーモニクス)の美しさに感じます。私の趣味・嗜好としては、リゲティを髣髴とさせる第10セクションがきれいでないと許せんという感じです。

なお、長木氏の述べるような他の手段が私には思いつかないので、聞きたい方はアルディッティSQを復活させるようにタワーにでも頼んでくださいとしか言えません(まずタワーでも復活させないだろうけど)。


このフラジオレットをはじめとした音の美しさの差は第1番でも感じたところですが、こちら、アイヴスからの引用もある(カーターによるとヴァイオリン・ソナタ第1番とのことでした<"Elliott Carter Collected Essays and Lectures,1937-1995." University of Rocehster Press p.233>。なお、ナンカロウのリズム・スタディ第1番のリズムも引用しているらしいです。私には分からなかった)第1番は、それほどけちょんけちょんに批判するほど悪くはないと思いました(「まあまあの出来」とは書いていますが、内容的にはけちょんけちょんです)。各奏者の音色が揃っていない点は私は気にならず(というよりそのおかげで楽譜が追い易かった<笑>)、スピーカーで聴くと、少なくとも後半、2楽章終わりから3楽章にかけてはノリが他2団体より良いと感じた部分もありました(ただしヘッドフォンだと、接続しているCDPの性能が悪いのか、音が死んで、ジュリアードSQも聴いていて辛かった)。

まあ、批評とか、例えばこのブログでの戯言は気にせず、自分でとりあえず買って聴いてみてくださいな、ということであります。でもアルディッテイSQの全集が一番良かったなあ。


なお、全く無視した佐野光司ですが、このパシフィカSQのディスクに限らずレコ芸での批評は全く批評の体をなしていない、単なる老人の戯言でして、金を払いたくないなあと思うSt.Ivesでした。もはや老害以外の何ものでもないので、追放処分若い人に交代して欲しいところであります。

因みに佐野光司の当盤の批評から抜粋

「エリオット・カーターの名は、アメリカの作曲家について語られる際に必ず出てくるが、少なくともこれまで聴いた範囲では問題意識の少ないアメリカの平均的な作曲家という印象であった」

(第1番について)
「弦楽四重奏曲第1番(1951)は、全くの新古典的な作風で、それなりに出来てはいるものの、今日この作品を評価するにはあまりに古いし、まだカーターがヨーロッパ音楽を模倣している時代の音楽であり、その意味では習作時代の作品といえる」

(第5番について)
「87歳の時に書かれた作品とは思えない緊張力を持っている。12の小品からなるが。そうした構成が緊張を保つ要因ともなっていると思う。カーターのそれまでの作風を考えると、良くも悪くも大国アメリカ市民の幸せな一面を代表している作風であったが、80歳を越えたカーターがこのような作品を書くのには、今日のイラク戦争に繋がる湾岸戦争等の社会的状況の反映があったのだろうか」

おいおい、耄碌して別の作曲家と混同して書いていないかい?という感じです。また、この批評の2ページ前でのコリリアーノの交響曲第1番で言っていることから伺えるご自身の考え方と違いがあり過ぎて、別人が書いたのではないか(コリリアーノがレーベル担当者が代筆して褒め称えたとか)と思ってしまいました。そして、何より演奏それ自体については全く触れていないぞ!

2008.05.10 Sat » 「軍人たち」3日目

どうも、帰りによって「組合」で目指すCDが無く、別のCDを購入して帰宅したSt.Ivesです。


3日目が終了。指揮については色々な話が渦巻いているようですが、何はともあれ上演にこぎつけられて良かったです。2009-2010シーズンにあると思われる「ヴォツェック」が花道でしょうかね

本日も含めて、オケ、歌手、合唱が高いレベルにあったので、これで終わり(次の椿姫はどこが演奏するんだ?)というのはもったいない感じしますが、これがオケを常設していないオペラハウスと日本の音楽界の限界なのでしょうかねえ、残念です。


次のコンサートの予定は16日のアンサンブル・モデルンのメンバーによるシュトックハウゼン作品を聴きに行くSt.Ivesでした。

2008.05.08 Thu » さすらい人様、申し訳ありません

さすらい人様、申し訳ありません。コメント整理中にうっかり頂いたコメントを消してしまいました。頂いたコメント(メール通知は残っていました)をここに貼り付けさせていただきます。


「テノールのマンメルは、あの場での説明はなかったですが、この日の朝来日し、午後早くに《白鳥の歌》を歌い、その後お聴きになった《冬の旅》を歌い切ったのです。私はなかなか良かったと思っています。」


これは全く知りませんでした。いくら彼らがタフとはいえ少々無茶苦茶なという気もします(その上翌日帰国!)。価格を抑え、お祭り的な楽しみを優先とはいえ、どうなんでしょうかねえ(プロだから当たり前という根性論は私は大嫌いですし大反対です)。


来年のテーマはバッハらしいのですが、あまり無茶はしない(させない)で欲しいものです。
そういえば、コルボのミサ曲第6番の最後、Dona nobis pacemの演奏の最中、1階下手舞台に一番近い入り口からいきなり二人の大人が入ってきて、立ち聞きしていました。非常識なと思ったら、「熱狂の日」の主催者らしき人と、バッハ・コレギウム・ジャパンの主催者らしき人でした。来年の下見でしょうか。それにしても非常識というか他の聴衆を無視した行動で、思わず"Dona nobis pacem"と思ったことは言うまでもありません。


それでは、また。

2008.05.07 Wed » 新国「軍人たち」二日目

どうも、あまりの暑さにグロッキー気味のSt.Ivesです。一体全体どうなっているのでしょうか、5月初旬だというのに。

本日2日目。初めて新国の2階席第1列目の真ん中あたりに座りまして、声やオケの響きは問題ないのに対して、舞台が遠いと感じたのでした。

演奏自体は初日同様に高水準。オケの響きが初日以上にすっきりしていたり、初日とは違う風に聞こえる部分があったのは席が違うせいかも。

本日は合唱、独唱、指揮、オケ、ジャズメン達全員にブーを飛ばしていた人がおりまして、もしかしてフルスコアを完全に把握していて、「これではない!」と怒っていたのか、あるいはPCの音楽ソフトに叩き込んで「真の響き」を知ったのか、いずれにしろ「何でですか?」と尋ねたい気分に駆られました。


次の10日も行く予定のSt.Ivesでした。

2008.05.06 Tue » 2008年「熱狂の日」終わる。

どうも、コルボ指揮ローザンヌ声楽アンサンブル他によるシューベルトのミサ曲第6番D950の演奏中、並びの席でしゃべくりまくり、挙句の果てにむずかる子供にうんざりとしたSt.Ivesです。心のそこから"Dona nobis pacem"と思いました(でも旋律はシューベルトではなく、モーツァルトのハ短調ミサ<レヴィン版>。覚えやすいというか耳につくんですよ、あれのドナドナは)。


さて、本年の「熱狂の日」も本日が最終日。私はチケットがとれた3つの演目に行ってきました。会場はいずれもホールC(マイアーホーファー)です。このホールを訪れるのは、オープンの頃以来で、相変わらず残響0、聴衆の動線に改良なしというとんでもない自称「コンサート・ホール」のままだったことに唖然としました(ホールの音響くらい改善されていると思ったのですけどねえ)。


1.午前11時開演 542 シューベルト:ミサ曲第6番 変ホ長調D950

コルボ指揮ローザンヌ声楽アンサンブル、オーケストラがポーランドのシンフォニア・ヴァルソヴィア(ペンデレツキが音楽監督を務めているそうで)、独唱に谷村由美子、ジャッキー・カアン、クリストフ・愛費ホルン、マティアス・ロイサー、クリスティアン・イムラーを迎えて。上記の通り落ち着いて聴いてられませんでしたが、いききとした演奏。もっともホールの特性かもしれませんが、合唱の精緻度や透明度では、一昨日のミサ曲第5番を演奏した団体の方が勝っていました。知名度だけでは図れません。もっとも、独唱では、出番が少ないのですけど、谷村の(若い頃の)シェーファーを思わせる透き通った声が良かったです。今後チェックしておきましょう。

2.午後1時開演 543 シューベルト:ミサ曲第4番 ハ長調 D452
               ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ長調 op.80

ロルフ・ベック指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢 シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭合唱団、ウルリーケ・バイヤー(ピアノ)、カタリーナ・ライエ、ヴィープケ・レームクール、シュテファン・ツェルク、有馬牧太郎
4番はライブで聴くのは初めて。ベートーヴェンの(ヘンテコな)作品を聴くと余計に若書きだったなあという印象であります。指揮者が飛びまくって最後を盛り上げてくれました。


3.午後4時半開演 545 シューベルト:劇付随音楽「キプロスの女王ロザムンデ」D797
ペーテル・チャバ指揮 フランス国立ロワール管弦楽団 林美智子、晋友会合唱団

アバド指揮のCDを購入して、ほんの数分しかオッターが歌っていないのに驚愕したのは何時のことだったか。林はルードヴィヒのようなほの暗い声で歌っていまして感心しました。オクタヴィアンには、容姿はいいんだけど、声質は向いていないと思ったのですが、「大地の歌」は是非聴いてみたいです。さて、演奏ですが、大規模なオーケストラをゆったりとしたテンポで鳴らしていくというもので、オケのちょとくすんだというか鄙びた感じの音色ともども、懐かしさをもって聴いていました。合唱団は声質がブレンドされておらず、いま一つでありました。


とにもかくにも「熱狂の日」を楽しんだSt.Ivesでした。来年はどんなテーマだろうか?

2008.05.05 Mon » 「軍人たち」日本初演

どうも、日本初演は成功したと思うSt.Ivesです。

2008年5月5日(月) 新国立劇場 午後2時開演

ベルント・アロイス・ツィンマーマン
歌劇「軍人たち」 日本初演

<スタッフ>
【指 揮】若杉 弘
【演 出】ウィリー・デッカー
【美術・衣裳】ヴォルフガング・グスマン
【照 明】フリーデヴァルト・デーゲン
【再演演出】マイシェ・フンメル
【指揮補】トーマス・ミヒャエル・グリボー
【共同衣裳デザイナー】フラウケ・シェルナウ
【衣裳・ヘアメイク監修】ロビー・ダイヴァマン
【音 響】渡邉 邦男
【舞台監督】大澤 裕

<キャスト>
【ヴェーゼナー】鹿野 由之
【マリー】ヴィクトリア・ルキアネッツ
【シャルロッテ】山下 牧子
【ヴェーゼナーの老母】寺谷 千枝子
【シュトルツィウス】クラウディオ・オテッリ
【シュトルツィウスの母】村松 桂子
【フォン・シュパンハイム伯爵 大佐】斉木 健詞
【デポルト】ピーター・ホーレ
【ピルツェル 大尉】小山 陽二郎
【アイゼンハルト 従軍牧師】泉 良平
【オディー 大尉】小林 由樹
【マリ 大尉】黒田 博
【3人の若い士官】中嶋 克彦 / 布施 雅也 / 倉石 真
【ド・ラ・ロッシュ伯爵夫人】森山 京子
【若い伯爵・伯爵夫人の息子】高橋 淳
【ラ・ロッシュ伯爵夫人の召使】木幡 雅志
【若い見習い士官】青鹿 博史
【酔った士官】川村 章仁
【3人の大尉】細岡 雅哉 / 藪内 俊弥 / 浅地 達也

【合唱指揮】三澤 洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団


終演後、舞台に指揮者の若杉が登場するとブーが飛んだとはいえ、特段何がブーを飛ばすほどの問題だったのか私が聴く限りにはさっぱり分かりませんでした。まあ、強いて言えば、何もせずにメトロームとキュー出しに徹したためかと思いつつも、ドイツの放送オケのように、この手の作品を常日頃演奏しているオケと振り慣れている指揮者ならいざ知らず、世界初演後半世紀近く経って、ようやく日本初演という事実を前にしては、それも致し方ないでしょうし、そもそもこの曲はそういう何もせず、機械の歯車が回るように進む方が曲として面白いと思うんですけどね(「球体の時間」概念とは無関係に、一直線にドラマは進むし)。
アムステルダムでの舞台や幾つかのCD、DVDと比較すると、やや叙情的な感じがしたのは、当日の天気が曇りから雨に移り変わったこともあるかもしれませんが、全体的に個々の楽器の相する音が非常に整理されて聞こえ、もっと混沌とした「音塊」を期待した向きにはその点で衝撃度が少なくなって不満だったかもしれません(リゲティでも何でもWERGOで育った世代の方は、すっきりと整理された新しい録音・演奏に拒絶反応を示す方が多いように感じますけど)。もっとも、最後のcon tutta forzaと指定されているオーケストラの音はもっと大きくした方が衝撃的だったと思うのですが、やはり疲れたのでしょうかね?(とはいえ、幸い、シベリウスの交響曲第5番の最後のようなフライング拍手が「間」に起きず、ホッとしました)。

歌手陣は、何も足さず何も引かない指揮者のキューを必死に追いかけつつ、自分の持分の歌をきっちりと歌い切り、高い水準でかつ凹んでいる歌手がおらず満足しました。そして特にというか、当然というか、主役を歌うルキアネッツが大奮闘。出だしの出だしこそちと声に不安を感じさせたところもありましたけれど、音楽が進むにつれ吹っ切れたのか不安定さは消え、演技も含めてグイグイと引き込んでいく力強さがありました。アムステルダムでは不鮮明であった最後の会話も、スピーカーからの大音響の中、1列目でははっきり聞こえました。

演出については、以前HPで紹介したものと変わっていなかったような気がしました。ただ、記録を読み返すと、アムステルダムではマリーと姉がモスグリーンの服を着て最初から登場したようだったほか、最後から2つ目のシーン、ヴェーゼナーとマリーが最後の会話(?)をした後で、倒れているマリーにヴェーゼナーの母が白い布を被せる演出をアムステルダムでは見ていないような感じでした(単に記録漏れか記憶違いの可能性もある)。アムステルダムの公演の模様はここを見てください。


ということで、わずか5年で同じ演出とはいえ、「軍人たち」を、それも日本で見聞きできるとは思ってもいなかったので嬉しいSt.Ivesでした(7日と10日も行きます)。

2008.05.05 Mon » 5月4日 マクベス夫人、ミサ曲第5番、冬の旅

どうも、とても疲れているSt.Ivesです。有楽町線の和光市行き最終に乗り損ね、40分近く余計に時間をかけて帰宅しました。

明日の「軍人達」初演に向けてもう寝たいので、簡単に上記感想を(配役などはそれぞれでご確認を)。

「マクベス夫人」

チケット売り場が混乱して怒り出す客が散見される中、午後2時過ぎにに荒川サンパールで開演した「マクベス夫人」、本日の歌手は、主役と準主役の3人そして脇役陣を含め、歌も演技もとても満足する出来でありました。しかし、オケは最低の出来でした(涙)。弦は、ペンデレツキかハーバではないので異なる微分音を、入りをずらして重ねないで欲しいところですし、金管はバンダを使用してやたらめったら吹き上げるだけしか能がないのかという感じで、これだったらちゃんと調理されたピアノ伴奏で歌を聞きたかったところです。

ミサ曲第5番

「熱狂の日」。19時15分開演の当日売りで購入。非常に素晴らしかった。ホールAという場所を危惧したのですが、ソリストが若干遠めに聞こえてこじんまりした感じを受けたものの、溌剌としたテンポながら、整った透明かつ柔らかい音で歌われ演奏される5番に感激。


「冬の旅」

ツェンダー版。開演が午後10時15分、終演午後11時45分にもかかわらず完売。終電の時間を気にしつつ、殆どのお客さんが最後まで残り、終演後もオケが帰るまで熱心に拍手を続けていました(さらに指揮者のスピーチもあり余計に帰りが遅れてしまった)。
演奏は、ツェンダー自身の指揮よりも色彩感があり、リズムが生き生きとして面白かったです。ただ、歌手は、美声でしたが、若干淡々と言うか真面目っぽく歌い、「冬の旅」ファンとしては若干物足りなかったです(まあ、あのオケ伴に実演であわせるのでは仕方ないかとも思いますけど)。なお、歌手も指揮者もオケもこれだけのために来日して明日には帰国だそうで、もったいない。



ということで5月5日の「軍人達」初演が楽しみなSt.Ivesでした。

2008.05.03 Sat » 「相棒」を観てからコイン・コンヴェンションに行く

どうも、NHKで放映され、ビデオに撮っておいたストリング・カルテット・アルコのDifferent Trainsを観終わったSt.Ivesです。中々映像が音楽に合っていました。


本日は、午前中にユナイテッド・シネマ豊島園に「相棒」映画版を見に行きました。ほぼ満席でした。平均視聴率15.9%だけはあります。私もシーズン1からのファンです。もっともロンドンにいた間は見れず、最近BSでのシーズン3をはじめとした再放送を見まくり、深夜放映の「裏相棒」もすべてビデオ収録しました。シリーズを通してみて、やはり目標は小野田官房長だなと思ったのはウソです。3月に終了したシーズン6は、以前よりも重いテーマの回が多かったのですが、シーズン5と6の間に撮られたこの映画を見て、そういうことかと思いました。お薦めです。



その後、毎年この時期に半蔵門線水天宮駅(箱崎)にあるロイヤル・パーク・ホテルで開催される「国際コイン・コンヴェンション」に行きました。このコンヴェンションは日本各地のコイン商や、各国の造幣局が参加してコインの展示や販売を行うものでして、一応お目当てのコイン、ドイツ連銀創設50年、スイス国立銀行創設100年を買えて満足です。ところで、このスイスの中央銀行のコインのデザインにはオネゲルが使われていまして、スイスのお札にも登場しているところからすると、デザインを決定する部署(のお偉いさん)にファンでもいるのでしょうかねえ。なお、コンヴェンションで配布されていた日本の国立印刷局の持つ「お札と切手の博物館」作成の「音楽家たちのお札と切手」でもオネゲルの肖像画が使われている20フラン札が紹介されており、「代表作『パシフィック231』のモチーフである蒸気機関車(車輪)が書かれています」と書かれていました。あれが代表作とされて、本人は不本意ではなかろうか?

さらにコンヴェンションでは、「和同開珎はどのように流通していたのか」という講演があり、これがすこぶる良かった(大阪市立大学の栄原先生が講師)。90分の講演時間ではもの足りないくらい面白く、例えば写経所が時の政府に必要な予算や物品(筆や紙など)をしたら、綿が大量に送られてきて、それを売って必要経費を稼いだというのには笑ってしまいましたし、膨大な正倉院文書の復元とそれによって、畿内での大量の銭の動き、日本の貨幣経済の黎明期の状況が垣間見れたのでした。

それにしても、「正倉院文書」という形で偶然残った8世紀の奈良時代の官庁の会計台帳や予算・決算書等のおかげで当時の状況が分かるということに、直前に見た映画の内容や、今の職場での仕事と照らし合わせてみて、少々複雑な思いもしたのでした。



明日は、「マクベス夫人」@荒川の後にツェンダー版「冬の旅」@有楽町の予定のSt.Ivesでした。
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AUTHOR : St.Ives

No hay caminos, hay que caminar...

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