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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2009.05.31 Sun » ロスコ シーグラム絵画

どうも、体調不良の中、6/11日で終わりだからと佐倉まで出かけたSt.Ivesです。


目的は表題通り。今月の「芸術新潮」の特集には飾られるはずだったレストラン「四季」(仮訳)も登場していて、仮にロスコが提供したとしても、「四季」からお断りの連絡が来ただろうなあと思うほど雰囲気が違う(よってロスコが自分から下りたのも無理が無い)。
川村記念とテート・モダンに加えてワシントンのナショナル・ギャラリーからも提供された15点が一同に会しての会場は、圧巻と言うよりは空恐ろしくなります(ロスコの望むような「泣き崩れる」ことありませんけど)。さらに、壁を越えた向うに広がっている絵は、「深い精神性」(by音声ガイド)ではなく、荒涼とした底なしの暗闇、この先には最早何も無いという感じの黒い絵。不思議なのは、これらの絵を描く時音楽を聴きながらだったこと、モーツァルトやバッハ、ハイドンにシューベルトがお気に入りだったそうで(特に「魔笛」)、音声ガイドでは、シーグラム」絵画では、モーツァルトの弦楽五重奏曲が、そして最晩年の暗闇の絵には、シューベルトのピアノ・ソナタ第21番(演奏はアニー・フィッシャー)が流されていました。確かに第2楽章こそ相応しい作品であります(あるいは「冬の旅」の方がより相応しい)。

午後からは、せっかく片道1時間半以上かけて(さらに往復電車賃2500円以上かけて)佐倉まで来たのだからと、歴史民族博物館に行ってみました。2時間半では駆け足で通り過ぎるしかない広大さでありまして、私より先に来た家族連れが、「ようやく古墳が終わった、でもまだ700年代だ!」とか、「まだまだ長い」とか嘆いていました。全部一度に見るのは諦めるしかない場所です。

ということで、ラッヘンマンもアルミンクの感想も飛ばしてしまったSt.Ivesでした。でも、「ハルモニカ」はとても面白かったなあ、途中でストラヴィンスキーっぽい響きが出てくるけど(「アッカント」では、家で聴く時と同様に寝こけてしまった)。
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2009.05.25 Mon » アンデルジェフスキーのチケット価格にちょっと驚く

どうも、家に帰ったらラッヘンマンのCDがHMVから届いていて驚いたSt.Ivesです。昨日アップしたものをHMVがチェックしていたりして。


本日は、未入手だった6月分のコンサート・チケットを一気に購入。その際、一瞬驚いたのが、6月6日のアンデルジェフスキーのサントリー・ホールでの公演。「ぶらあぼ」を見ながらチケットを申し込もうと思ったら、そこにはS席12000円と書かれている!

C.ツィメルマンが、所沢(6/20日)とはいえS席7000円、サントリーが16000円。しかし、サントリーでの公演とはいえ、実力者とはいえ、日本での人気・知名度はまだまだツィメルマンに及ばないと思われるアンデルジェフスキーが、このお値段とはエージェントの強気ぶりに恐れ入ったと思いつつ、彼の31番を聴きたいので、多分A席は10000円程度か、うーむ、大昔のサントリーでのポゴレリチのS席級だと思って申し込むと、S席は7000円とのこと(A席は5000円)、全然違うじゃないかと、それならS席で申し込みし直す。

いずれ、ツィメルマン級のお値段に跳ね上がるんだろうなあ、そうしたら所沢に呼んでもらおう。


ということでこれからラッヘンマンでも聴こうかと思うSt.Ivesでした。明日は行けるかどうか微妙だ。

2009.05.24 Sun » この週末

どうも、PSOPHOS SQの弾くメンデルスゾーンのSQ第6番を聴きながらのSt.Ivesです。


昨日は、川村記念美術館にロコス展を見に行こうかと思ったのですが、起きたら午前11時だったので中止。本日は、雨が降ったので中止。来週の日曜日こそは気合入れて起きて行こうかとと思っています。

そういうわけで昨日は昼過ぎから新宿に出かけ、ヨドバシにてパナソニックのソファーのようなマッサージ・チェアに物欲をそそられ、故障して黒インクだけでないプリンターを買い換えるべきか悩み(結論は、当面は青と赤で印刷と決定)、BS放送もみれるPCが何故登場していないのか不思議に思いつつタワーに移動。
タワーにて、遥か大昔にHMVに頼んだKAIROSのラッヘンマンがいまだ届かずで、購入しようかと思いつつ、隣に並んでいたシャリーノのコンチェルト集、Sanchez-Verduの作品集を購入。さらにアーノンクールのハイドンの後期交響曲集、レコ芸で安田氏がショックだったと述べていた、ゲーリー・クーパーのハイドンの後期ピアノフォルテ・ソナタ集(演奏はそれほど私にはショックではなかったが、ショックだったのは、ピアノフォルテの演奏だったことであった。私は、ピアノフォルテの音が好きではない)、エマーソンSQのハイドンSQ集(ボーナストラック付き)、安かったので思わず買ってしまったKniazevの弾くバッハの無伴奏チェロ組曲、それに、付録CDが今は亡きヒコックスの振るメンデルスゾーンの「賛歌」だったBBCマガジンを購入して帰宅。

帰宅後、「サイのクララの大冒険」を読む。これは実に面白い。1741年にインドから欧州に連れてこられた子供のインドサイ「クララ」が1759年4月10日にロンドンで亡くなるまでの、欧州「グランド・ツアー」を再現したものだが、マリア・テレジア、フリードリヒ大王、ルイ15世、ディドロなどが(見物するため)登場し、A.デューラーの「サイ」が本当のサイに置き換えられていく様を描いていますが、一番面白いのは、連れまわすオランダ人の様々な創意工夫、プロモーションでありました。一読をお薦めします。
ライプチヒにも1747年にクララは行っているので、大バッハも見に行ったのか?1759年のロンドン興行時点では、ヘンデルはすでに失明しており、見に行かなかっただろうが。

その後、クララの亡くなる1759年に初版が出版されたアダム・スミスの「道徳感情論」を若干読み直して就寝。

本日は、昼から購入したCD等を聴いて過ごす。もっとも、昨日分に到達する前に、その前に購入したCDの山からだが、例えば先月号のBBCマガジンの付録のパヴェル・ハースSQによるベートーヴェンのSQとか、中古で購入したテレンス・ジャッドの弾くリストのロ短調ソナタとか。前者は、なかなか競合盤が多い中では厳しい戦いかなと言う感じ。後者は、早死にが極めて惜しまれるもの。ライブなので当然ながらミスは散見されるけど、それを気にさせない輝かしい演奏でありました。

続いて、KAIROSとcol legnoのコントラカデンツby笑い男の聞き比べをして(セリフ等の目立ち度合いが違うなあ)、ジュリーニの振るマーラーの9番(DG)を久方ぶりに聴く。やはり味わい深い名演奏であります。これよりも怜悧な演奏や、熱演は多いでしょうが、バランスと歌謡性から言えばこれが一押しです、ってこれでは大昔に自分が聞いた演奏こそ一番と人に押し付けるレコ芸の「名曲300選」、特にバッハ作品のチョイスには唖然、と同じであります。選者が変らない限り、同じ企画をなんどやっても同じ結果になります。


PSOPHOSの演奏は6番、3番ともになかなかに良い演奏でありますなあ、と思うSt.Ivesでした。


2009.05.16 Sat » 楽しいムーミン展覧会

どうも、昨日HMVから到着したCDと向うで購入したCDを聞きながらのSt.Ivesです。LigetiのLux aeternaと大書してあるCD(harmonia mundi HMC901985)をかけたら、無伴奏ヴィオラ・ソナタが始まってびっくりしました。中の解説をみると合唱曲とヴィオラ・ソナタの各楽章を交互に聞かせるものでした。


さて、本日は招待券があったので、東京駅傍の大丸百貨店10階の美術館で開催中の「ムーミン展」に出かけました。3時過ぎに美術館に着くと、かなり込んでいて20分程度待たされました。

展覧会は、今月の「芸術新潮」にも紹介されているようにトーヴェ・ヤンソンの原画や立体ジオラマが展示されており、幾つも並べられている小さく緻密な原画に食い入るように見入ってしまいました。非常にきちんと書かれており、丸い線がきれいです。中でも「ムーミン谷の冬」の目覚めてしまって困った顔のムーミンの挿絵が一番気に入りました。それにしても、読んだのははるか大昔だったので、「冬」に大きなラッパの音楽が好きな「サロメ」という女の子が出てくるなんて完全に忘れていました。「首」が好きでなくて良かったです。

なお、来館者は、若い女性が7割がた、後は小さな子供をつれた家族というところでしょうか。グッズ売り場では色々なものがありましたが、ミーすら喜ぶ下の写真のジュースは売っておらず、私は展覧会のパンフレットだけにしました。会期は5月18日まで。

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2009.05.12 Tue » 5月4日、7日マクロプロス@パリ

どうも、パリ・オペラ座から来た「マクロプロスやっています」メールを眺めながらのSt.Ivesです。ビデオ再生が上手く行きません。

ということで、シュヴィツィンゲンとシュトゥットガルトを飛ばし、シェーファーの「ルチア」を後回しにしてパリの「マクロプロス」雑感。

2009年5月4日、7日午後7時開演 パリ・バスティーユ歌劇場

ヤナーチェク:「マクロプロスの秘事」(タイトルは「日本ヤナーチェク友の会編」のものによる)

指揮:Tomas Hanus
演出:Krzsztof Warlikowski
美術:Malgorzata Szczesniak

エミリア・マルティ:Angela Denoke
グレゴール:Charles Workman
プルス男爵:Vincent Le Texier
コレナティー弁護士:Wayne Tigges
ヴィテク:David Kuebler
クリスタ:karine Deshayes
ヤネク:Ales Briscein
ハウク:Ryland Davies

3幕続けて上演。演出等について最初に書くと、幕間と各幕の前奏曲にはモノクロ映画を流しており、第1幕の序曲はヒッチコックだったのではないでしょうか?多くのパトカーと報道陣が次々と大邸宅に車で乗り込む様子は実に音楽とあっていた。また、デノケ演じるエミリア・マルティをマリリン・モンローとして扱っているので、本物のモンローが来日した際の大報道陣に取り囲まれている様や、映画「マリリンとキングコング」といった映像を活用していました。なお、第2幕では、デノケの容姿はミルヴァを思い起こさせる赤毛にしていました。

オープニングは、映画祭のオープニングか、アメリカの歌謡ショー的雰囲気を出すかのように、輝く青い幕の前で、タキシード姿のヴィテクとグレゴールそしてクリスタの3人が古いマイクの前で歌います。幕が上がると、映画館か劇場のよう い並んだ座席があらわれ、その前の円形の机と椅子に座って引き続き男性歌手二人が歌っていると、座席の中央通路にデノケ演じるエミリア・マルティが登場。通路の下から風が吹き上げて、白いモンローのスカートが地下鉄からの風で煽られる例のモンローウォークを再現していました。ただ、デノケは若干奥まったところで歌うので、声が遠く感じます。

グレゴールが口説こうとする場面では、何故か舞台前面(円卓があったスペース)が男子トイレに変わり、これまた何故か個室トイレ内でデノケは衣装を着替えます。もっとも、すべてガラス張りなので何をしているかが一目瞭然であり、スターにプライヴァシーがないことを象徴しているかのようではあるのですが、何故男子トイレ?

そこにプルス男爵登場。彼はしゃれた感じの黒のシャツとパンツ、それに帽子をかぶり、伊達男のイメージ。息子も空色の紗の服を着ていまるのですが、親の方がしゃれています

この間、エミリア・マルティは強張った動きと吐き気を催すしぐさを示します。

第1幕と第2幕の間をつなぐ映画は、華麗な舞踏会シーン。なんの映画を利用したかは不明。

第2幕、劇場に各登場人物が座り、映画の続きを指差しています。その奥に巨大なキングコング頭と手のひらがあらわれ、そこにミルバのような赤毛に青銀ラメのロングドレス姿のEMが座っています(街中に張られているポスターやプログラムの表紙にはこの姿が使われています)。手のひらからEMが降りると劇ror映画が終了したということで、皆が席から立ち上がり、彼女の傍に寄ります。
すでに前面は男子トイレからバスルームと洗面に変わっており、彼女は歌の合間に風呂で寝こんだり、洗面に吐いたりしています。
グレゴールが登場し、凄い剣幕でエミリア・マルティは首の傷を見せつけながら、「素っ裸にならないわよ」というセリフを歌うのですが、ここでデノケは両胸をはだけていました。すでにバイエルンでのサロメをはじめセミヌードにそうは抵抗感はないのでしょうかねえ。ちなみにデノケの胸は小さいです(薄くはないのですけど)。なお、第3幕の着替えシーンでも胸をさらしていました。

ヤネクが登場すると、エミリア・マルティは黒のショートスカートに着替えます、これ自体は意味不明ですが、しきりに衣装の背中のファスナーをプルス男爵うあヤネクに締めさせようとするので、男性を誘う行為なのでしょう。そこに現れたプルス男爵は思いっきりヤネクを押しのけるので、彼はセットがゆれるほどの勢いで激突していました。7日の公演ではおでこをぶつけて痛そうでした。

プルス男爵との間で手紙と一夜の情事の交換契約の際には、エミリア・マルティはパンティをするりと落とし、それを男爵に投げると男爵はうれしそうにその匂いを嗅いでいました(ここで場内に笑い)。

第2幕と第3幕の間の映画はこれまた不明。一人の女性を数人の刑事やマイクと巨大なテープレコーダーを持った記者が尋問しているシーンで、第3幕を先取りする内容。

前景は、プールサイドと化粧部屋。もちろんシースルーであり、化粧部屋にはモンローの髪型の金髪の鬘、例の白い衣装がそれぞれ二つあります。

情事が終わり、シャツが乱れて、苦々しくタバコをすっているプルス男爵。赤毛のロング・ヘアにバスウェアに身をくるんだエミリア・マルティ。手紙を受け取り喜ぶ最中、息子の自殺で嘆き悲しむ男爵には無関心。遺書を見せられても、丸めてポイと棄ててしまう。なお、第2幕の女中をはじめとしてクリスタがエミリア・マルティの付き人という設定のようでした。そこへ 弁士等3人が乗り込みエミリアの詰問を開始します。

回答前にシースルーの化粧部屋でモンローの格好に着替えるデノケ。プルス男爵はさっきまで苦々しく思っていた相手なのに、何故か尋問シーンでは彼女を庇おうという仕草をします。そして最後、付き人のクリスタもモンローの格好で登場すると、エリナ・マクロプロスは彼女に手紙を渡そうとします。しかしうつぶせに倒れて絶命。この演出では手紙は燃やされません。

いったん照明が落ちて、再び明かりがつくと、デノケ以外の歌手は立ち上がってお辞儀をする中、デノケは絶命した格好のまま。青い幕が下りて、一人ずつ舞台に現れて拍手を受ける段になってようやく登場します。照明が落ちただけでは、急に立ち上がるのは、不自然だということでしょうかね。

歌手については、デノケが何より素晴らしい。エミリア・マルティの様々な顔や気分、性格を生き生きと歌い演じていました。上にも書いた第2幕のグレゴールとの会話での剣幕や、プルス男爵との契約をするシーンには凄みが感じられました。また、第3幕の告白と祈りのシーンは、それと分かっていても、彼女の声と演技のせいでホロリとさせられてしまいます。

準主役とも言えるプルス男爵演じるLe Texierも実に良かった、洒脱なところ、エゴイスティックなところなど、エミリア・マルティに焦点が当てられがちなオペラですけど、十分以上に存在感を持った歌と演技でした。正直、録音やこれまでみた舞台ではここまで彼が重要な役とは感じていませんでした。

演奏については、きびきびとしながらつややかで明るいオーケストラ、金管はもうちょっとがんばってほしかった部分があったものの、素晴らしい演奏でした。実演では「カーチャ」、「死の家の記録」、DVDでは「女狐」を聞きましたが、それだけ演奏してきているだけはあります。指揮については、第3幕後半、若干見栄を切り過ぎて、テンポをスローダウンさせすぎた感はありましたが、全体としては好ましいものでした。

演出については、プルス男爵をはじめ役者の動きや仕草については、フィットしていましたし、幕間や前奏曲の間モノクロ・フィルムを流したのとても良かったです。ただ男子トイレやバスルームは意味不明でした。劇場に拘ったり、キングコングをだす必然性もあまり感じなかったです。
しかし演出・美術・衣装上の最大の成功点は、ムスバッハ演出のヴェルディ「椿姫」同様に、エレナ・マクロプロスもある意味はかない運命の女性として捉え、かつ奔放さを持つ歌手ということから、モンローに擬したことでしょうか。私にはとてもぴったりくる設定でした。

お客さんは、4日は詰まっていましたが、7日はかなり少なかったです。少々ややこしい話なので敬遠したのかな。


なお、舞台写真はまだパリオペラ座のHPでみれるのではないでしょうか。

次は、元祖モンロー歌手?のシェーファー歌う異界の「ルチア」について書こうかと思うSt.Ivesでした。

2009.05.10 Sun » 5月10日 帰国

どうも、無事に帰国したSt.Ivesです。成田で飛行機の登場口から検疫検査を突破するまで1時間かかりました。シャルル・ドゴールでもフランクフルトでもこんなことはないので、さぞや入念なチェックがあるのかと思ったら、あらかじめ書かかされた問診表を4人の検査官がちらとみるだけのことで、あれでは全く無意味でしょう。書かせたパポート番号、便名、住所・氏名の確認・照合すらしていない。これでは、単にマスコミと「大衆」が騒ぐので形だけやりました的お仕事であります。

問診表も、1.米州大陸に行きましたか、2.米州大陸諸国の人々と接触しましたか、3.過去10日間に熱等がでましたか、というもので、それに該当する人だけに入念なチェックを行うことをあらかじめ伝えておいて、直ぐに通過できる人とそうではない人を分けておけば良いものを、。さらに、2.に到っては、「接触」の意味が不明ですしねえ。まさかレストランで隣席の人に、「あなたはメキシコから来ましたかな?」どと事実確認をするわけではないですし。

その上、冷房を効せていない成田空港は、暑くてたまりませんでした。

何とか昼前に家に着き、シャワーを浴びて新国の「ムツェンスク郡のマクベス夫人」にでかけましたが、開始してまもなくから、ポルノフォニーの直前まで爆睡していたようでした(以後は起きていました)。
ということで、全体的にオーケストラは健闘はしていたけれどもなあ、パワーと突っ込みがないなあという感じ、歌手は主役3人は良かったなあという感じ、と曖昧に書いておきます。演出は、遥か以前(2004年4月8日及び17日のコヴェント・ガーデンの公演)に書いたとおりです。ただ、セックス・シーンにしても、ボリスの死に際にしても、警察署のシーンにしても、全然笑いが出なかったのには驚きました。ロンドンでもベルリンでも皆笑っていたのになあ。

それと、ソニェーツカですけど、最後に叫んでいなかったなあ、聞こえなかっただけかな?記録をみるとロンドン(C.ライスが演じていた)では叫んでいたのですけどねえ。それと奈落がゆっくり沈むのは当初からの演出だったんですねえ、ダレイマンのお腹の出っ張りのせいではなかったんだ。


これからアイヴス/ブラントの「コンコード交響曲」を聴こうかと思うSt.Ivesでした。

2009.05.08 Fri » 5月7日パリ

どうも、デノケの歌う「マクロプロス家の秘密」から戻ったSt.Ivesです。デノケ最高!しかし、劇場内は空席が目立っておりました。外ではチケットを売る人も多く、チェコ語のオペラでどうも分かりにくいと思われているのでしょうかねえ。詳細は、リームのプロセルピナ、ヘンデルのテセオともども後日に。


本日は正午半前にパリに到着。しかし、東駅の地下鉄の切符売り場は長蛇の列で、東駅の地下鉄切符売り場が崩壊状態で、切符1枚購入するのに20分近くかかりました。その後、リヨン駅内の豪勢なレストランに行き昼食。食べ過ぎて未だに腹がもたれています。しかし、どれもとてもおいしかった。

FNACバスチーユ店に何気無く寄ったら、アイヴスのピアノソナタ第2番をヘンリー・ブランがオーケストラ曲に仕立てた「コンコード交響曲」が売られていてびっくり。さらに、当CDはヘンリー・ブラント・エディションの7枚目であることにも驚き。そして演奏は、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮コンセルトヘボウと豪華なのにはあきれました。採算は取れていないだろうなあ。レーベルはinnova CD番号はinnova414です。シャーマーも貸譜だけでなくスタディ・スコアを売り出さないかあ。


明日はいよいよ欧州旅行の最終日、フランクフルトで「ランメルモールのルチア」を見る予定のSt.Ivesでした。主役を歌うはC.シェーファーです。

2009.05.07 Thu » 5月6日シュトュットガルト

どうも、シュトュットガルト滞在中のSt.Ivesです。

昨日はシュヴィツィンゲンでリームのモノドラマ「プロセルピナ」を見て、曲はとっても親しみやすいのだけど(レンツやハムレットマシーン程にとんがっていないし、自己引用が色々聞こえて、マンネリ?とか思ったりして)、ノインフェルスの演出は訳分からんと思いました。

本日は知らないオペラ第4弾!ということで、ヘンデルのオペラ「テセオ」を当地で見ました。なんにしても話の展開が緩くて、とても長く感じました(19時開演、休憩30分を挟んで22時20分終演)。さらに、ソプラノ3人とカウンターテノール3人でして、華麗な声の技巧を聞かせるにはよいのですが、オペラとしては単調に聞こえます。バスやバリトンが欲しいです。演出は何とか場を持たせようと映像を活用していましたが、退屈なあまり途中で帰る人も結構いました。5月2日にプレミエを迎えたばかりの舞台だというのに...。

ということで、明日はパリに移動して「マクロプロス家の秘密」を見ますので、もう寝ます。

メルクリン・ミュージアム訪問と模型ショップめぐりで観光する暇が無かったSt.Ivesでした。

2009.05.05 Tue » 5月3日ライマン「メルジーヌ」@ブレーマーハーフェン

どうも、5月4日のデノケの歌う「マクロプロス家の秘密」@パリから戻ったSt.Ivesです。同じ公演を5月7日にもう一度見ますので、感想はその後にでも。

それにしてもブレーマーハーフェンからの移動はちょっとヒヤリとしました。ハンブルク中央駅から空港に向かうエアポート・エクスプレス・バスが4月30日で廃止されていたのですが、それがきちんと駅に表示されておらず、さらに旧バス停にはその旨がドイツ語のみで書かれているなど、とても国際港湾都市ハンブルクとは思えぬ対応でした。世界最大の鉄道模型レイアウト施設「ミニチュア・ワンダーランド」には日本語パンフレットまで常備されているというのになあ。ちなみに、この施設、総面積1150平米(将来的には1800平米にまで拡張予定)、線路の総延長が12キロ(同20キロ)、機関車890両(同1300両)、制御コンピューター40台(同60台)という途方もないものでして、さらに驚異のレイアウトに、細かい仕掛けや遊びが満載というものです。2002年頃はすぐに入れたのに、現在は平日の午前中ですら30分待ちというハンブルクの一大名所となっています。

さて、ブレーマーハーフェンでのライマンのオペラ「メルジーネ」についての雑感です。

2009年5月3日午後7時半開演
Stadttheater Bremerhaven

Aribert Reimann : Melusine

指揮:Stephan Tetzlaff
演出:Peter Grisebach

Madame Laperouse : Ingeborg Greiner
Melusine : Eun-Joo Park
Pythia : Zdravka Ambric
Max Oleander : Manolito Mario Franz
Graf von Lusignan : Felipe Perio
Geometer : Lukas Baranowski
Mauer : Slavin Peev
Architekt : Ralph Ertel
Oger : Kai-Moritz von Blanckenburg

ブレーマーハーフェンってどこ?と思われましょうが、ブレーメンから北海方面に向けて列車で40分ほど離れた多分ドイツ第2の港町です(ロストックやキールより大きいと思う)。といってもコンテナ港が主なのか、ハンブルクのような猥雑さや活気はあまり感じられず、こざっぱりとした、戦後再建された、さらに現在再開発が進められている町です。財政的には潤っているのでしょう、市の中心部の商業施設は綺麗に整備され、さらに新しいサッカースタジアムが建設中でした。なお、ここはブレーメンから飛び地ですが、かつてブレーメン市がどこかの領主から土地を買収して港を建設したこともあり、同一州に属しています。ヴァイマール共和国時代には、ブレマーハーフェン建設を記念するコインも発行されています。

劇場は市の中心部、コロンブス・センターの南端?にあり、規模はフランクフルト州立歌劇場を2回りほど小さくしたぐらい。木張りの壁の質実なホールでした。
当日の聴衆の数は、小さな町だし曲目が曲目なので殆どいないだろうと高をくくっていたら、席は半分近く埋まっていました。

肝心のメルジーヌですが、いやあ、字幕がないので困った。ライプチヒではシェーンベルク作品にもドイツ語字幕をつけてくれたのですが、こちらはなし。歌は朗誦的で、ドイツ語として明瞭に聞けるように作られている作品なので、普通のドイツ人ならば、シェーンベルク作品以上に、歌詞は理解できるのでしょうが、こちらは残念ながら聞いて分かるほどのドイツ語能力はないので、困りました。さらに、メルジーヌの話をよく知らないので、余計に困りまして、直前に必死になって読んだドイツ語の筋書きは、全く理解できなかったしなあ。

初演は1971年4月29日、「若き詩人のためのレクイエム」や「シンフォニア」とか同じ頃の作品でライマンのオペラとしては第2作。因みに、第3作が「リア王」、第6作が「城」で、現在ヴィーン国立歌劇場の依頼で、第8作目の”Medea”(原作グリルパルツァー)を作曲中で、2010年2月28日初演(指揮ボーダー、演出マレッリ)だそうです(パンフレットによる)。

全4幕、90分程度、休憩はなしでした。

音響的には、あーライマンっぽいなあ、見たことある「リア王」とか「城」で聞ける響きだ、といった感じですが、オーケストラが、「リア王」とは比べ物にならないくらい小規模(編成指定そのものなのか、単に劇場のオケが小さいからか不明)なせいもあって、とってもとんがっていたのに対して、歌唱が普通にドイツ語をしゃべっているのに多少抑揚をつけただけ?と思う程明瞭に聞き取れます。ただ、音響に色彩感が乏しいし、ダイナミックな変化は第4幕最後になってようやく聞けるという具合に起伏に乏しく、さらに歌唱も朗唱なので、話が良く分からないまま聞いていると、途中で猛烈な眠気が襲ってくるオペラでした。いやあ「リア王」はやはり偉大な作品なんだなあ、何がライマンに起こったのだろう。最後に焼死体となった、メルジーヌを見て、「メルジーヌ?」と言って幕になるところはブゾーニの「ファウスト博士」を思い起こさせましたけど。

歌手の出来については、劇場の規模が小さいこともあって、絶叫して音程が明らかにずれている(だろう)、といった歌手はおらず、その点では好ましいものでした。

演出は、うーむ、ライプチヒの「期待」同様に壁を動かして何かを表そうとしているらしいのですが、それが何なのか分かりませんでした。最後、火事で上からススが大量に降ってくるのは面白かったですけど。

指揮者が一生懸命に振っているので、オケの奏者達は、今一乗り気ではないけれど、まあがんばるか、といった風で演奏していまして、最後の盛り上がりを含めて、ライマン的音響は十分に堪能できました。


というわけで、明日5月5日は、このオペラが初演されたSchwetzinger Festspielenに出かけて、W.リームの新作オペラ(初演は5月3日)を見る予定のSt.Ivesでした。今度は”Proserpina”の話だそうで、ゲーテの原作を探し損ねたので、「見知らぬオペラを見聞きする!第3弾」になるなあ。

2009.05.05 Tue » 4月28、30日ルル@リヨン

どうも、リヨンの3日間で名物に旨い物無しをまたもや体験したSt.Ivesです。マルセイユまで出張ってブイヤベースに奮発して55ユーロも支払ったのですが、うーむ、別段我が家で出されるものとそう変わらなかった。さらに最初にスープだけを出すので、後から出てくる魚の身は冷めていておいしいものではありませんでした。その点、リヨン市内のブションで食べたエスカルゴとラムを焼いたものは実に美味しかった。

さて、まずは、大野指揮リヨン歌劇場管弦楽団による29日のコンサートについて。

席が1階2列目の右端というコントラバス奏者の背中を見て聞くような位置でもあり、音響バランス等はよく分かりませんでした。さらに曲目も、1曲目がショーソンの交響曲という記憶の彼方にある作品で、聞き始めて、ヴァーグナーのワルキューレを下敷きにしたような曲だなあという具合でありました。かなりの力演だとは思いましたけれども。
2曲目は、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」なので、略。
3曲目は、ストラヴィンスキーのバレエ曲「火の鳥」全曲。これまた実は録音でも殆ど聞かない作品でして、実演すら殆ど記憶にない感じです。とはいえ、楽しく聞けました。
アンコールは、確かビゼーの「アルルの女」組曲からだったでしょうか。弦の音が透明だったのが印象的な演奏でした。

では、通算9回目の「ルル」の簡単な感想です。

4月28日、30日
リヨン国立歌劇場午後7時半開演
ベルク:「ルル」
指揮:Kazushi Ono
演出:Peter Stein
ルル:Laura Aikin
シェーン博士:Stephen West
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:Hedwig Fassbender
アルヴァ:Thomas Piffka
シゴルヒ:Franz Mazura
画家:Roman Sadnik
公爵:Robert Woerle
力業師:Paul Gay
学生:Magdalena Anna Hofmann

両日とも実に素晴らしい上演でした。
リヨンのオケには、例えばバイエルン、ドレスデン、ヴィーンのような匂いたつ官能的な響きや重量感は感じられなくとも、大野の指揮の下、これらのオケで聞いたことがなかったような各声部が明瞭に描きわけられた、マスとしての音響だけでない、個別の楽器の奏でる旋律や和音の絡み合い自体を楽しめました(それにしてもオケ・ピット内は相当うるさいんでしょうねえ、奏者達はしょっちゅう耳栓をしたり、手で耳を塞いだりしていました)。

歌手については、エイキンが歌うルルがとにもかくにも素晴らしかった。少女的な無邪気さとずるさ、自分本位で、他者の運命には無関心、結果として残酷な主役を、跳ねるように踊るように動き回り、口をとんがらせて拗ねるなど年齢を忘れさせるキュートさをみせ、その上で、劇場内に響き渡る高音、硬質であったり柔和であったり、を駆使して歌い、魅了されてしまいました。そう言えば、第3幕の前半の多重唱の最中、ルルが嘆く歌は、殆ど叫びに近い感じで歌い、巨大なオーケストラと歌声の中から突出して響き渡らせていました。ここの部分でルルの歌がはっきり聞こえる録音・ライブを聴いたことがなかったこともあり、特に印象的でした。

他の歌手たちについては、例えば、第3幕最終場のゲシュヴィッツ伯爵令嬢のモノローグから「ルル、私の天使」や、1幕最後の壮絶な痴話喧嘩の果てのシェーン博士の嘆き、同じく第1幕前半でルルと歌い合う画家など、エイキンの歌唱に十分匹敵する聞き応えのあるものでした。

演出と美術については、ベルリン州立歌劇場でのムスバッハ演出に近いと感じた一つの理由は、ルルのヘアスタイルが同じだったこと、そして1幕と2幕の違いはありますが、ルルに振袖を着せていたり、爪先立ちで踊るように歩かせるシーンが多かったことです。ただ、第3幕後半のルルの衣装は、少女性を強調したようなムスバッハと異なり、普通のワンピースでした。
なお、振袖は赤地に金の金魚か鯉が描かれていましたが、このほかにも、第1幕第2場、成功した画家が着ていたガウンは、源氏物語絵巻か何かの絵巻の一部分をつなぎ合わせたデザインでしたし、第2幕でゲシュヴィッツ伯爵令嬢が隠れるのは、金泥の上にアヤメが書かれた衝立などが使われており、どこかしら日本が感じられました(画家は、藤田?っぽいヘア・スタイル、髭、眼鏡でした)。ただ、全体の衣装や美術、小道具類は1920年代前後に設定されていました。

Steinの演出は、オーソドクスでした。究極の突飛さであるコンビチュニー@ハンブルクはともかく、フランクフルトやバイエルンあるいはDVDのチューリヒのような設定や読み替え、奇抜な小道具や大掛かりな舞台機構を使わず、筋立てに従った、非常に素直なものでした。そうそう、ムスバッハ以外にも、シェロー演出のルル@パリの階段上でルルがシェーン博士にヒピストルを向けるシーンを思い起こさせる部分がありました。
演出的に面白かったのは、第3幕、切り裂きジャックが登場すると、殺されたアルヴァが隠された小部屋(ルルは知らない)を覗き込んで、一人納得したような素振りをしたこと、そして第1幕開始の幕開けに使われた、サーカスや様々な見世物興行の宣伝ポスターを張り合わせたようなもので、第3幕終わりの幕が閉じられ、見世物、あるいは「この女についてのオペラ」が終わったことを示した点でしょうか(フランクフルトのように、ルルが興行主から給金を貰うようなことはしていません)。

ただ、第2幕中間の映画は、うーむ、経費節減でしょうか、シーンごとの字幕が表示されていくだけで、具体的な動きのある映像はありませんでした。音楽には集中できますけど、これはどんな風にするか期待していたので、少しがっかりしました。

というわけで、とても素晴らしい上演でした。10月の日本(びわ湖ホール。沼尻指揮、3幕版)の公演も、素晴らしいものであることを願っています。


続いては5月3日はブレーマーハーフェン州立歌劇場のライマンのオペラ「メルジーネ」です。

2009.05.05 Tue » 5月2日ロジェヴェン@ベルリン

どうも、5月2日にドレスデンまで出かけたSt.Ivesです。廃墟のフラウエン・キルヒがついに再建されただけでなく、その周辺も大きく変貌していて驚きました。こうなると、ドレスデンpo.の本拠地で、DDR様式の建物のため全く周囲にそぐわない「文化宮殿」が、旧市街再建上の問題となってくるでしょうねえ。

さて、5月2日のコンサートの模様について。

2009年5月2日(土) 20時開演
ベルリン・コンツェルト・ハウス

指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
演奏:ベルリン・コンツェルト・ハウス・オーケストラ

プロコフィエフ:交響曲第5番
チャイコフスキー:交響曲第5番

ベルリン・コンツェルト・ハウス・オーケストラは、一体ベルリンのどのオーケストラの末裔なのかさっぱり分かりませんが、相応に上手いオーケストラでした(音もどでかい)。そしてロジェヴェンの指揮振りを楽しみつつ演奏していることが見て取れました。

そのロジェヴェン、長めの指揮棒をくるくる回したり、細かくキューを出したり、左手はマージャン牌を摘むかのような指示をしょっちゅうだしたり、でも奇妙に優雅な指揮ぶりは相変わらずでした。

解釈ですが、プロコフィエフもチャイコフスキーもじっくりゆっくりと楷書で描くかのごときもので、普段セル(プロコフィエフ)とゲルギエフ(チャイコフスキー。ただしBPOとの海賊盤)の演奏で聞く身には、当初こそすこしじれったい感じがしました。しかし、例えばチャイコフスキーの5番第1楽章出だしのように、リズム感は明瞭なのに音楽が止るかと思われるような独特のテンポ設定や、主旋律と副旋律を同等に扱い、刻みを非常にはっきりと演奏させ、さらに盛り上げるところはテンポをスローダウンさせながら、巨大な音量で強調する(ティンパニーとグランカッサを轟かせていました)といった昨今ではあまり聞かれない大見得を切った独特の解釈はとても面白く、楽しめました。
満席の会場は終演後は興奮の坩堝と化して、スタンディング・オベイションで何度もロジェヴェンを呼び戻していました。

続いては4月28日、29日、30日のリヨンでのオペラとコンサートについてです。

2009.05.02 Sat » 5月1日アイヴス交響曲第4番@ベルリン

春まだ遠い感じの寒いリヨンから、半袖姿が当たり前の初夏のベルリンに移動したSt.Ivesです。リヨンの「ルル」についてまだ書いていませんが、今晩中には書き終わりそうにないので、先に本日のコンサートの簡単な感想を。

2009年5月1日(金) 午後8時開演
ベルリン・フィルハーモニー・大ホール

指揮:アンドリュー・デイヴィス
副指揮:ヴァルト・シュターレ
演奏:ベルリン・ドイツ交響楽団
合唱:ベルリン放送合唱団

ヴェルディ:聖歌四篇
アイヴス:交響曲第4番

ヴェルディは、実に合唱が綺麗で、オケがそれを盛り上げてくれました、という程度しか言えません。

それよりも何よりも、アイヴスの交響曲第4番、サー・アンドリューにはあまり期待せずに、4番が実演で聞けるからいいかなという程度で出かけたところ、予想を大きく裏切る実に感動的な4番の演奏でした。実演ではオラモ(バーミンガム、ベルリン)、エトヴェシュ(ミュンヘン)以上に素晴らしさを感じました(大体この二人は後半に「1905年」と「シンフォニア」を持ってきて、良い演奏だったからよかったものの、当初は練習時間の配分をどうしたのだろうと不安に思いました)。

5,6年前に同じオケでケント・ナガノ指揮による演奏を聞いた際は、オケがテンでバラバラのスカスカな音に、指揮者が全く引用に頓着しない演奏でがっかりした記憶がありました。しかし、本日は同じオーケストラとは思えないほど充実した響きの中、サー・アンドリューは、この曲のノスタルジー面を強調してゆったりとしたテンポを採用。また様々な民謡等の引用も泥臭くそれと分かるように聞かせることで、結果として斬新な響きを生み出しているこの曲の特徴も明らかにしてくれました。特に、騒がしくも楽しい2楽章の音響や旋律のぶつかり合いは、オラモやエトヴェシュで聞いた演奏に勝るとも劣らない明晰さを示す一方、両者とは異なるおもちゃ箱をひっくり返したかのような、ニューイングランドの祭日の楽しく明るい雰囲気を響かせていました。

第4楽章に入ると、それまで使用していた楽譜を旧版(青緑色の表紙の楽譜)からクリティカル・エディションに切り替えて指揮をしていました。合唱の最後の方でソロが入るのは今まで見聞きしたことがなかったので驚きつつ、じっくりじわじわと合唱の導入までオーケストラを持っていき、最後は実に美しく潮が引いていくように曲を閉じ、さらに指揮棒をかなり長い時間下ろさないことで、余韻に浸らせてくれました。実に素晴らしいコンサートでした。


明日は、日中はドレスデンと余裕があればマイセンにでかけ、夜はロジェストヴェンスキーによるチャイコとプロコの5番という変なプログラムを聞きます。


10月5日の月曜日にベルリンにいたいなあと思ったSt.Ivesでした。その日は、メッツマッヒャー指揮のベルリン・ドイツ交響楽団が、「叙情組曲」、「ワイン」、「アルテンベルク・リーダー」、「ルル組曲」を演奏するんだけど、歌手にC.シェーファーが予告されているんでねえ...。まあ、前日に琵琶湖で「ルル」を見ることで諦めよう。
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AUTHOR : St.Ives

No hay caminos, hay que caminar...

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