どうも、という訳で所沢までBCJのマタイ受難曲を聴きに行きました。初期稿と銘打たれていましたが、私に分かった違いは、せいぜい冒頭曲のソプラノのコラールがオルガンで演奏されたことでして、これについては、普段聴くように歌って欲しかったなあと思います。
そのくらいバッハには疎いし、そもそもマタイを詳しく聞き込んでいる訳ではないし、他の演奏もそれほど聴いていないので比較しようがないのですが、(アーノンクール盤で予習したせいもありましょうが)清冽でしかしそっとやさしさも感じさせる演奏でした。演奏陣の中で特にいたく私が気に入ったのは、エヴァンゲリストのゲルト・チュルクでして、非常に声の表情が豊かで、雄弁(ただし劇的ということではない)でありました。また、ペーター・コーイのイエスは、意外に若々しい声でした(イエスというと1958年盤のリヒター盤や、ドイツのTVでみたラトル指揮ベルリンpo.でのクヴァストホフとかの重い声の印象が強かったので)。一方、アルト(カウンター・テナー)IIは、ちと声が一本調子で弱かったのが残念でした。
私は信仰も特定の宗教への思い入れも無いので、ある個人(義人)の死を巡るドラマとして聞いていましたが、それでも素晴らしいものは素晴らしいんだなと、プログラムに書かれていた武満の言葉のような感想を抱きつつ帰宅したのでした。
これから、Y.ヘラー(1944年生)のオペラ「巨匠とマルガリータ」でも聞く予定。ローマ総督ピラトも自分の名前がこんな形で後世に伝わるとは思ってもいなかっただろうなあ。
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