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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2006.08.31 Thu » 結局行かず

気がついたら時計の針が7時半を回っており、サントリーに行かず。さらばダルバヴィ!

なお、日曜日の芥川作曲賞には行きまして、審査過程を楽しみました。色々と面白い発言がありましたが、中でも傑作だったのは、司会に促されて推薦作品を挙げる際、細川俊夫が「分かりません。(しばし沈黙)糀場さんには尾高賞を、河村さんと藤倉さんには芥川作曲賞をあげたい」というものでした。三者三様の作風と若い二人に対して五十代の糀場、賞の性格等で悩んだのは分かりますけど(かつ何となく「尾高賞」に納得してしまったのですが)、別の賞をあげたいという審査員は初めて見たのでした。

これに対して、糀場作品の受賞決定後、湯浅譲二「私は何度か尾高賞をもらっていますが、芥川作曲賞の方が良い作品が多いですよ」と発言し、さらに司会の佐野光司が「審査員が違いますからねえ」と続けておりました。この二人は尾高賞の審査員には選ばれていないということですかね。

もう一つは、審査の過程で江村哲二が、糀場作品に対して「非常に好きなんだけど、未来の作品ではなく、過去の作品を聞きたいと思わせてしまう」と後ろ向きの評価。これに対して受賞後の糀場が、「50代ですけど、江村先生がこの先の作品も聴きたいと思えるような作品を書いていきたいです」と抱負を述べると、江村は恐縮。さらに追い討ちをかけるように、佐野光司が「フランクも傑作は五十代からですし、いまや人生は七掛けですので、糀場さんはまだ35歳位ですよ」と述べていた(ということは、佐野も40代から50代でまだまだやるぞ!ということか?)。

ちなみに三作品についての私の評価は、審査員の言葉の抜粋かつ不正確な引用で。

河村真衣(1979年生) 闇に沈んだ海

湯浅:この年でここまで書けるとは素晴らしい才能、耳を持っている。しかし、若い人にありがちな上から下までびっちり書き込んでしまっている弊がある。現代の学生は、ドビュッシーの「海」だけでなく、ウェーベルンの12音を採用する直前の作品の簡潔さとか、ストラヴィンスキーの楽器の用い方、実に上手い、も勉強したほうが良い。

細川:新ロマン派と呼ばれた作曲家たちよりも書けている。しかしスタイルは古く、いつの時代の作品かなと思う。最後には高級な映画音楽のようになってしまうのが危ない。


糀場富美子(1952年生) 

江尻:非常に大好き。選びに選んだ、聞こえる音を取っている。

湯浅:初めて彼女の曲を聴いたが、本当に簡潔な形で書かれている。オーケストレーションは常道を取らず、譜面上も見た目は音が少ないが、十分に書かれている。

細川:初めて聴いたが、一番心を打つ作品だった。簡潔である。全体の構築も良い。あまりにも良く出来ている。

藤倉大(1977年生) ストリーム・ステート

細川:エクリチュールと音響のコントロールは抜群だ。欧州で高い評価の彼を芥川作曲賞でどう評価するかが問題だ。サントリーでの音響は上手くいっていないのではないか。ベルリンでも聞いたが。因みに私は彼のトロンボーン協奏曲を推したが、エレクトロニクスの関係でこっちが候補作品になってしまった。

江尻:サントリーでの演奏に際して音響が上手く行ったかは分からない。作曲家を刺激する作品だ。しかし、彼の作品というよりはブーレーズ・スクールの作品という感じがする。

湯浅:技術と才能を持っている。前二者に比べるとUp to Dateな作風である。ただ、新しい作品を評価する時、私はクリシェに満ちているかどうかを基準としている。現代の作品でもクリシェがある。もちろんクリシェに満ちていても、私をどこかに連れて行ってくれる推進力があれば良いが、これはブーレーズ・スクールの最優秀生としか聞こえなかった。


なお、2年前の受賞作品の作曲家三輪眞弘の「弦楽のための369、B氏へのオマージュ」は、中沢新一の小説までついたプログラムでしたけど、「虹の理論楽器」は私には聞こえませんでした。音響合成すれば良いというもんではないんじゃない。



それにしても、ラトルの「惑星」が売れているらしいです。東芝EMIは1万枚の在庫が捌けて、さらに1万枚のオーダーが来ているとのことで、結果的に良い宣伝になったわけですな。

もっともNewsweekによると、発見者であるトンボー(1906-1997)の93歳になる奥さんは今回の冥王星が矮惑星に降したことについて、正直に残念がっていた。生誕100年記念の年に何故この仕打ちというかんじもありましょうしなあ。なお、彼の遺灰は今年発射された冥王星探査機ニュー・ホライズンズ(何となく懐かしい名前だ)に乗って、2015年に冥王星まで10000キロの地点に到達。その後、7人以上はいそうなドワーフ達を掻き分けて宇宙のかなたに向かう予定だそうです。


明日は絶対に「光の波」、「精霊の踊り」、「沈黙の花」を聴きに行くぞ!と思って津田ホールのHPで演目を確認したら、「光の波」はあったけど、細川は「花の妖精」だし、ラッヘンマンではなくてベートーヴェンの「大フーガ」であった。ちょっと残念。
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