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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。
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チューリヒで見た舞台がたった7ヶ月前だったとは!

遥か遠い彼方のような記憶がしております。雪もちらつく非常に寒いチューリヒ、サー・ジョン・エリオット・ガーディナーが振り、イヴォンヌ・ヌフが主役を歌ったプレミエ公演でのデユカ(ス)の歌劇「アリアーヌと青髭」。
演出は正直冴えないものの、でずっぱり歌いっぱなしのヌフとガーディナーの作るめりはりのある音楽で、少々分かりづらく、オペラ的ではないオペラをぐいぐいと進めて満場の拍手を受けた舞台、多分もう見る機会は無いだろうなあと思っていましたが、管弦楽曲部分の抜粋のみとはいえこうして再び聞けたのは幸いであります。

8月6日 午後3時 ミューザ川崎

矢崎彦太郎指揮 東京シティ・フィルハーモニック

デュカ(ス):歌劇「アリアーヌと青髭」より管弦楽組曲
ドビュッシー:歌劇「ペレアスとメリザンド」より管弦楽組曲

それぞれ各幕を短く管弦楽のみで上手く纏めたものです。誰によるものかは不明ですが、矢崎氏自身でしょうかね。

東京シティを聞くのは先週に引き続いて(先週はベリオの「レンダリング」&マーラーの「大地の歌」というプログラム)。

オケの音が予想以上に綺麗で軽め、キリリと引き締まっていて、東京シティには申し訳ないのですが、これほど良いオケとは思ってもいませんでした。「アリアーヌ」も古典的な明晰な感覚に微妙に印象派の影響を滲ませた響き−登場人物の一人はメリザンドでそこではドビュッシーのそれが響くのですけど−が実に美しい。あまり弾かない曲なので、もどかしさや不慣れなところがあっていごごちが悪い演奏になるかと危惧していたのですが、そんな感じは一切なし(演奏家が実際にどう感じていたかは知りませんけど)。非常に大満足した演奏でした。

因みに先週のベリオの「レンダリング」は、うーむシューベルトのパートの部分は確信を持って演奏していたのですけど、ベリオのパートはあまり良く分かって演奏していない感じでありました。あの部分、確かにモヤモヤした音響の塊ではありますけど、実際は剥落した部分が何かを想起させるようにシューベルトの様々な作品の断片の変容が埋め込まれているので、それをもう少し意識して欲しかったなあと思いました。

もっとも一番驚いたことは、飯守氏がベリオの巨大な総譜をみながら、ベリオのパートを含めてピアノで弾いて紹介したことですけどね(ペータースから出版されているギュルケ版にはピアノで弾けるように整理された断片が付録で付いているのでそれを使えば良かったのに)。

なお、東京シティの今後の予定には、「三人の会」+権代という全くもって採算度外視のプログラムもあり、それには行く予定です。

さて、出来てまだ1年も経っていない(?)ミューザ川崎。元祖であるベルリン・フィルハーモニーの大ホール、サントリーや札幌キタラと同様のワインヤード型のホール。音はきちんと届くし、席にもよりましょうが、上手く響きがブレンドされつつ細部もくっきり浮かび上がる音響のホールでありました。サントリーよりも残響が若干抑えられている分だけヨリ近現代物には向いている感じです。ただ、練馬からだとちと遠いし、電車代がかかるのが難点であります。それでも私は気に入りました。


それにしても本日の公演の客の入りは悪過ぎです。往年の川崎球場もかくやという感じ。1時間ちょっとのプログラム(休憩なし)で2000円と3000円というリーズナブルなお値段で、普段聞けないような曲が聴けるというのにねえ。


No.18 2005/08/06(Sat) 20:29
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