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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2007.09.01 Sat » 進むべき道はない、だが進まねばならない

どうも、サントリーから戻ってきたSt.Ivesです。涼しさと共にシーズン・インで何よりであります。暑いとやはりだれますからねえ。


本日はサントリー・ホールのリニューアル・再オープンの日のようですが、特段開演前に何かあるわけでもなく、いつもの通り開演30分前に巨大オルゴールが出てきて開場。ホール内は1階クロークが縮小されたような感じがしたほか、2階のカフェ前の座席が撤去されてカウンターになっていました。

では、簡単に本日のコンサートの感想を。

サントリー・サマー・フェスティヴァル20周年記念
MUSIC TODAY21 初日

サントリー・サマー・フェスティヴァル20周年記念特別演奏会
・権代敦彦:母(コーラ/マトリックス) オルガンと笙のための作品107 記念委嘱作品
・ ノーノ:No hay caminos, hay que caminar… Andrei Tarkovskij(1987)
・ 武満:ノスタルジア アンドレイ・タルコフスキーの追憶に(1987)
・ グリゼー:エピローグ 4人のホルン独奏者と管弦楽のための(1985)
・ リンドベルイ:キネティクス(1988-89) <日本初演>

演奏
指揮:ピエール・アンドレ・ヴァラド
オルガン:松居直美、笙:宮田まゆみ、ヴァイオリン:大岡 仁
ホルン:丸山 勉、ジョナサン・ハミル、和田博史、村中美奈
管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団

前半と後半で対照的な曲目、静と動、モノクロとカラーといったところでしょうか。権代を除いていずれも20年近く前の作品、そしてまだ生きていてもおかしくない武満、グリゼーを含めて故人3人の作品を現役作曲家の作品で挟む構成。

演奏の出来について、特に後半2曲は分かりません。場所がステージ横で金管と打楽器の猛烈な響きの嵐の中に放り込まれて感覚が麻痺しそうでした。しかし、打楽器類の多用さといった見た目も含めて面白く聞けたことは事実です。オーディオでもあれは再生できませんから。

見た目で言うと、グリゼー作品は、ハイドンの「告別」ではありませんけど、盛り上がっていたオーケストラが、4人でモゴモゴとまごついているホルンを尻目に、次々と楽器群が演奏をやめて音がどんどん薄くなっていき、最後までモゴモゴしているホルンにこれでおしまいだとばかりに強烈な大太鼓が打ち下ろされる様は、CDよりも実演の方が絶対に面白いです。最後の2回の大太鼓を聴いて、我が家では再生できないなあと思ったのでした(考えてみると、Les Espaces Acoustiquesをスピーカーを通して聴いていなかった)ものでした。

リンドベルイ作品もまた、金槌や「悲劇的」以外では殆ど見かけない木槌を含めて、グリゼー作品に負けないほどの打楽器類を用いて華やかな盛り上がりが楽しめました(最後は静かに終わるんですけどね)。

とはいえ、今回のコンサートの私にとっての目玉はノーノのNo hay caminos, hay que caminar… Andrei Tarkovskijであります(自分のHPの更新はとんと進んでいませんが…)。オーケストラ横に陣取って舞台を含めた7つの群島の空間性を今回ようやく確認できました。音と静寂の間に、というのは確か武満の本の題名でしけれども、弱音と静寂の間の音の薄明状態、切れ切れの音の消え入る瞬間瞬間、そしてそこから突如突き上げてくる大音響に耳をそばだてていく美しい作品。ミスもありました、ノーノ作品にはつきものの緊張に耐えられない聴取の咳の多さも気にはなりました、しかし、それでもこの傑作をライヴで聴けて私は非常に幸せです。


武満と権代はきっと広大なブログ空間のどこかで誰かが書いているでしょうから、そっちをご覧ください。でも舞台に登場した権代がベートーヴェンの顔をプリントしたTシャツだったのは笑えましたけどね。


明日は、チューリヒ歌劇場の「薔薇の騎士」を見に行くSt.Ivesでした。その前にビデオを整理してアバド&ルツェルンとシノーポリも登場するらしいベネズエラ・ユース管を録画できるようにせねば。
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comments
久しぶりにコメントいたします。
いらしてたのですね。サントリーホール再オープンとはいっても、厳密には午前中の大友&東京響が最初だったようです。

ヴァラードの統率は、それなりに音楽を整理しているもののどこか詰めが粗くて、いわゆる「上手い」指揮ではないのは少し残念ですが(フルートは上手いのに)、グリゼー、ノーノあたり楽しみました。(2階最後列だったのが残念)なんでも来年は《音響空間》全曲やるそうですね。
どうも、M.F.さん今晩は。

大友指揮東京響に先を越されましたか(笑)。冠フェスだといのにねえ。

ヴァラード氏の指揮の最中、コンマスがしきりにあちこち気を配っていたのが印象的でありました(特にグリゼーとか)。響きのコントロールがどの程度できたかは分かりませんが、面白かったです。

そういえば、権代の曲は、真正面から聴いたら笙の音がオルガンに飲み込まれて聞こえなかったのではと思いますが、いかがでしたか?私は、両者の中間辺りの横側で聞いて、ようやく右耳でオルガン、左耳で笙という風に聞き分けられました。

グリゼーについては、湯浅が去年は口頭で、今年はプラグラムに招請できなかったのが残念と書かれていまして(一方で、ダルバヴィはさすがに無視されておりますなあ)、「音響空間」全曲とは楽しみです。しかし、誰が振って、どこが演奏するんでしょうかね?日本の放送オケ、なわけがないですね。

それでは、また。

今週末の小澤をどう録画したものかと思案しているSt.Ivesでした。10時間も割り当てるとはねえ、もっと取り上げて欲しい演奏会はいっぱいあるんだけど。
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