
どうも、R.シュトラウスのザロメを聴きながらのSt.Ivesです。指揮は、もちろん今頃はゼンパーの総監督だったはずの人です(涙)。
では例のごとく簡単に本日の感想をば
11月17日(土)午後3時開演
東京文化会館
ザクセン州立歌劇場来日公演
ワーグナー:タンホイザー(パリ版だったと思う)
指揮:準・メルクル
演出:P.コンヴィチュニー
美術:H.メイヤー
衣装:I.ヘルテル
合唱指揮:U.ペッツホルト
領主へルマン:ハンス=ペーター・ケ−ニヒ
タンホイザー:ロバート・ギャンビル
ヴィルフラム:アラン・タイタス
ヴァルター:マルティン・ホムリッヒ
ピテロルフ:ゲオルク・ツェッペンフェルト
ハインリッヒ:トム・マーティセン
ラインマール:ミヒャエル・エーダー
エリーザベト:カミッラ・ニールンド
ヴェーヌス:エヴリン・ヘルリツィウス
羊飼いの少年:クリスティアーネ・ホスフェルト
ヴォルフラム役のオラフ・ベアが急病につきタイタスに変更されていました。
ともかく、オーケストラの響きが堪能できたのはよろしかったです。もちろん、東京文化会館のデッドな響きとゼンパーの豊かな響きでは全然違うのですが、それでも雰囲気は楽しめました。
雰囲気と言うと、ホール内に入ったら、緞帳がゼンパーのそれになっていたので、一瞬、演出の都合でわざわざ持ってきたのか?とかおもってしまいましたが、よく見たらプロジェクターによる映像でした。ついでに「時計」も再現して欲しかったものです。
舞台は1幕前半は今一つという感じ、ヴェーヌス役のヘルリツィウス、シノーポリ最後の来日以来何度も聴きましたが、本日は調子でも悪いのか声が強くないし、音程も不確かだしと、あれ?と思わせるできでありましたが、途中からは徐々に回復し、捨てないで欲しいからきっと戻ってくると強気に転ずるあたりから調子が上がってきました。
同じことはタンホイザー役のギャンビルにも言えて、第1幕は乗り切ったものの、第2幕の肝心要のヴェーヌスベルクを讃える歌はへたっていて、タイタスや他の歌手そして領主も立派な歌を聞かせてくれましたので、あれではとても歌合戦には勝てませんという出来でした。声自体にかつてに比べると輝きが失せて、重い声になってしまったのは歌いすぎなのでしょうかねえ。
これに対してエリーザベト役のニールンドは若干上ずるような感じがしつつもこの二人とは比較にならないほど安定的でよく通る声で、第2幕の歌合戦以降と第3幕の舞台を引き締めていました。このニールンドと同じくらい素晴らしかったのがヴォルフラム役のタイトス。他の役でゼンパーで何回か聴いた時はくぐもった声だと思うときありましたが、本日は素晴らしい出来でした。特に第3幕の夕星の歌がこれほどしみじみと胸に響き渡ったことはなかったです。
その第3幕を含めて、演出は全体的に良かったです(もっとも敬虔はクリスチャンであるエリーザベトが自殺めいたことをするだろうかという疑問はありますが)。コンヴィチュニーになんでもっといじるかと思ったのですが、意外にシンプルで素直。彼の「ローエングリン」のような感じでも面白かったでしょうが、そうするとゲッツ.フリードリヒの演出に近くなるので避けたのでしょうかねえ。
合唱については、第3幕の最後はもうちょっと音量が上げた方がいいかなあとは思いましたけど、申し分なしでありました。サロメもバラも殆ど合唱がないので、これで彼女ら彼らの歌を聴けなくなるのは残念です。
最後に指揮ですが、メルクルってこんなにたるい演奏をする人だったかなあというのが序曲が始まっての第一印象で、結局最後までその印象がぬぐえないまま終わりました。お疲れ気味のギャンビルにあわせたのかもしれませんけど、第1幕の修羅の場面や、第2幕の前半と後半の対比を浮かびあがらせ方にしても、少し緩急や強弱をつけた方が良かったのではないかと思いますけどねえ。
次のゼンパーは23日の「薔薇の騎士」。今年4回目、通算では多分15回目となります。