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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2008.01.28 Mon » 星を継ぐもの(ガンダムにあらず)

どうも、1940年8月25日、奇しくもニーチェの命日と同じ日に亡くなった作曲家の伝記を数日まえに読み終え、そのご年表と作品目録作成作業に没頭していたSt.Ivesです。でも、放棄しました。

伝記とはいえ、日付や事実の記述に明確さがないのが作業場のネックとなりました。例えば、没年月日は明らかなのに対して生年月日は1885年の春としか書かれていません。また、二ーチェよろしくライプチヒ大学に移った日付も不明。何より、作曲家の「基底音」ともいうべきH-E-A-E-ESの音列のもとになった女性との二回目の出会いも、1906年5月前後、グラーツでのR.シュトラウス指揮による「サロメ」初演前後の時期、としか分かりませんし、ローマでの悪魔との対話、最後の作品の私的な初演(予定)の日といった重要な時期がいずれも明らかではありません。

また、主要作品の初演年月日については、「海の燐光」(1907年?アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団、ジュネーヴ)、「宇宙交響曲」(1920年、ワルター指揮、ワイマル)、「ローマ人事跡」(1921年、バーデン)、ヴァイオリン協奏曲(1924年春、ヴィーン、なお1924年暮にパウル・ザッヒャー指揮にてベルン、チューリヒにて再演)、ヨハネ黙示録(1926年、クレンペラー指揮、ISCM大会、フランクフルト・アム・マイン)といった、年と初演者、場所は分かるのですが、正確な日付が書かれていません。クレンペラーについてはヘイワースの伝記やISCMのHPで確認をしようかと思ったのですが、詳細不明でありました。そもそも、彼の作品を出版していたショットとユニヴァーサルのHP上では彼の作品が出版された形跡が残されていません(現行の目録にも当然載っていません)。シェーンベルクの抗議ですべて消されてしまったのかな?

そんなこんなで疲れた中、次に集英社文庫版で「失われた時を求めて」を読もうかと本屋に寄ったら、その傍らにあったのが、「星を継ぐもの」(創元SF文庫)。私は「早川さん」ではないので、SFはあまり読まないのですが、何気に手にとってみたらどうやら推理小説の趣きがあるということで読み始めたところ至極面白く、続編まで一気に読んでしまいました。

何がどう面白いかについては、そうプルーストがスワンについて描写した「美術の話をしているときにでさえ、つまらぬことにひどく正確を期する男」、「ご自分のお考えを聞かせて欲しい、一つの絵のどういうところに感心しているのか言ってください、と迫られるとき、スワンはほとんど無愛想な沈黙を守るのだったが、そのかわりに問題の絵のある美術館やその絵の制作年代について具体的な情報を提供できる場合には、その埋め合わせをするのだった」(「失われた時を求めて」スワン家の方へ1 第一部コンブレー、鈴木道彦訳集英文庫p.54-55)という描写に該当する私には語れません。えっ、プルーストとどっちが面白いかですって?ほぼ同時に読み始めて、プルーストはようやくマドレーヌにたどり着きましたが、「星を継ぐもの」とその続編は読み終えました(で、まだ続編があるので明日購入予定)。もっとも、「失われた時を求めて」は大昔の2段組7巻全集で1回読んでいて、井上究一郎役も単行本で5巻まで買い進めて読んでいたら文庫本になってしまいがっくりきて、そこから文庫本の10巻に飛んでいるので、このあたりの話はまだ良く知っており(最近MANGAでも読みましたし)、細部をさらに拘泥しつつ読もうかなと。で、「カルル5世」ではなく「カール5世」にしてもらわないと、クルシェネクも困るんじゃあないかとか、ブラバンではなくブラバントにしてくれないと、白鳥もあらわれんぞ、アーノンクールも眉間に皺をよせるんではないかとひっかっかってしまったのでした。だから私はスワンの馬鹿なのか?



1910年、作曲家がローマで、「烙印を押された人々」であるアドルノ公爵の末裔っぽい感じの悪魔と「新音楽の哲学」めいた対話をしているころ、ドイツでサンバルサンが日本人を含む研究グループによって開発され、あの病は不治の病ではなくなった(今はペニシリンの大量かつ集中的な投与によって治療する)のを作家が記していないのが不思議なSt.Ivesでした。伝記作家がニーチェはともかく、ヴォルフとシューマンの事例について知らなかったわけではないのに、あの特効薬を「おお、友よ!そんな響きではなくこの薬を」と勧めなかったところに、ツァイトブローム≒T.マンこそ実は悪魔を抱え込んでいたのではないのかねえと思うのでした。


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