どうも、Spahlinger作品集(KAIROS 0012692KAI)を聴き終わり、Antoniniが振るBeethovenの「英雄」を聴きながらのSt.Ivesです。遠くに来たもんだなあ、クラシック音楽というかドイツ音楽は、という感じ。かつて聳え立っていた光り輝く構築物とその無残な廃墟を同時に眺め、どちらにも相応の美と真実を感じる一方、Spahlinger作品集には、その先には何も無いのでは?という重苦しさが付きまとうのでした。
さて、オーディオ・ファンにはおなじみのバイワイヤリングを本日初めて試してみましたので、その報告。
私の持っているスピーカー(B&W802ノーチラス)にはケーブル用端子が1台につき2組ありまして、大まかに言えば、ウーファー(低音用)とそれ以外との入出力端子が分けられています。これまでは、ウーファーとそれ以外の端子のどちらかにスピーカー・ケーブルをつなぎ、端子同志は付属品のジョイント・ケーブルで結んで聴いておりました。で、ここ3年はケーブルを変えたり、スピーカー台を新調したりはしていましたが、バイワイヤリングには手を出しませんでした。
何故、バイワイヤリングに逡巡していたかというと、スピーカー1台につきケーブルが2本、合計4本必要で、効果の程がどれほどか分からないのに接続は面倒になるし(実はそれほど面倒ではなかった)、ケーブルを買う金があればCD買うか、次期アンプ購入計画にまわそうと思っていたのでした。
とはいえ、オーディオ雑誌では盛んにバイワイヤリングの方が音がよくなると喧伝しておりましたので、本日、現在使っているスピーカー・ケーブルを購入した店に立ち寄ったついでに、思い切ってもう2本分のケーブルと端末(バナナ・プラグ)を購入。帰り際に、店の親父が、「バイワイヤリングにすると驚くほど変わるから」と笑いながら言っておりました。
さて、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(エマール&アーノンクール盤)を聴き終えるくらいの時間でスピーカー・ケーブルにバナナ・プラグを付ける作業は終了。アンプも十分温まったので、まずはシングルワイヤリング(つまり普通の2本のケーブル)でオーディオ試聴用ディスクその1を聴いてみたのでした。

プレヴィン指揮VPOのR.シュトラウスのオペラ関連オーケストラ作品集です。愛聴盤でして、オーディオチェック用には変化が分かって持って来いです。オケの艶やかさと、「薔薇の騎士」組曲でのフルートとチェレスタに聴かれるキラキラ感がどれだけ出ているかを聴くのですが、現在の音で十分満足。ところが、バイワイヤリングにして驚きました、まるでこれまでは紗幕が実はかかっていたのか?と思わせるほどくっきりとした音、さらに浮きあがる中音域と、すっきりとしかしより前面に出てきた低音域。うーむ、これは、と次の視聴盤に変えてみたのでした。

ラルキブッデリによるメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲。多分、我が家で聴くCDの中では、ぶっちぎりで一番多く聴いているディスク、愛聴盤中の愛聴盤です。このディスクを聴くたびに、メンデルスゾーンは天才だと思い、洋の東西を問わず彼の扱いが軽すぎるのを嘆くのでした。ろくなオペラが無く、誰もが知っている技巧的で目立つピアノ曲も無いからでしょうかねえ。国名シリーズの交響曲だけでなく、オラトリオとか室内楽曲とかも聴いて欲しいものです。
それはともかく、これも驚きました。これまで聴いていた音のバランスが変わってしまったというか、分離がよくなり、こんな音が埋もれていたのか!の連続でありまして、初めて聴いた時の興奮が蘇るのでした。
では、これはどうなるのだろうと次の愛聴盤へ。

私にとっては「冬の旅」はこれ1枚(正確には東京でのライヴ音源も含めて2枚)あれば十分です(でも8枚くらい持っている)。シングルワイヤリングで聴いたこのCDの印象は、東京でのライブ音源と違って、シェーファーのノンビブラートのクリスタル・ヴォイスと相俟って、人工的な、あたかも彼岸で歌われているかのような、あるいはどこか俗世を超越した地点で歌われているといった感を持っておりました。ところが、バイワイヤリングで聴いたら、もっと生々しい息遣いがあり、実在感を兼ね備えた存在が、曲を進むに連れてどんどん希薄化していくという感じに変わったのでした(つまりライブに近い歌唱)。迫真の歌唱で、CDを聴いているにもかかわらず身じろぎも出来ませんでした。
それにしても、目の前というか手の届くところでシェーファーが歌っている感じが非常に強く、次の来日まで彼女のCDを聴いて我慢できそうです。
ここで、愛聴盤と呼ぶにはあまり聴かない(聴けない)偏愛曲を

ダイナミックレンジの広大な作品ですが、EMIの録音とは思えない広大さと音の生々しさ、分離の良さに驚き、そして紗幕がとれて煩さが無くなった感じです。第3楽章の長大なコーダの不気味で荒涼とした風景の恐ろしさは倍増したと言えるでしょう。いやあ、この演奏は凄い演奏だと思っていましたが、さらに凄味が増しました。
ということで、もしスピーカーがバイワイヤリング対応でしたら、お試しあれ。本当に驚くほど音が変わりますから。
Antoniniの振るベートーヴェンの「英雄」、4番が終わったので、Fabricianiの"Glaciers in Extinction"(col legno WWE 1CD 20254)を聴き始めたSt.Ivesでした。電子音を使うならハイパー・バス・フルートを使う必要は無いのでは、というよりハイパー・バス・フルートの生音ってどんなんだろう?
[この記事へのコメント]
家のDali Tower、Arcamのエントリモデルのアンプと低価格のケーブルでも、バイワイヤリングではっきり違いが出ました。
Dali Towerは元々原音を忠実に表現するというより、耳に優しいまるい音作りで、高域がすっきりしないのが少々不満だったのですが、シングルで使ってみてキンキンした感じだったのでしまいこんでいたBeldenを高域用に使ってみたら、ずいぶんクリアになった気がします(反面耳疲れしやすい音になった感じも…)。
残念ながらオーディオには大金を投じる余裕はありませんが、地道にアップグレードしていきたいところです。
No.230 2008/04/07(Mon) 00:55[編集]
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St.Ives[URL]
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どうも、今晩はroi ubuさん
いやあ、驚きましたよねこれは。現在のケーブル交換も相当大きな変化がありまして驚きましたが、今回はもっと驚きまして、もっと早くすればよかったと思っています。
オーディオというのは「鰯の頭も信心から」というものも見られますけど、細かいチューニングで変わるので楽しいような苦しいような感じです。
それでは、今後ともよろしくお願いします。
いまだSACDを導入していないSt.Ivesでした。
No.231 2008/04/07(Mon) 21:21[編集]