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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2008.05.14 Wed » カーター弦楽四重奏曲第1番、第5番

どうも、あまりの寒さにしまいこんだ冬物を出そうかと思いつつシューベルトの弦楽四重奏曲第12番を聴いているSt.Ivesです。演奏は新生ARTEMIS SQです。


連休中にCDをたっぷり聴けるかと思ったらあにはからんや、「熱狂の日」と「軍人たち」でつぶれてしまい、積読状態のところに新たに幾つかCDを購入してしまい、果たして今年中に今年購入したCDを聴き切れるかだろうかと自問自答中であります。そんな中、届いたのがNAXOSから登場したパシフィカSQによるカーターの弦楽四重奏曲第1番と第5番。


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このCDについては、レコード芸術5月号を読まれた方は、現代音楽部門で長木氏にけちょんけちょんに批判された直後に掲載された「追跡レポート」において、「パシフィカ四重奏団がエリオット・カーター弦楽四重奏曲全曲レコーディングをスタート」と題して渡辺和氏に好意的に取り上げられておりまして、注文した後にレコ芸の当該記事を読み、2004年の全曲演奏会に行っていない身としては、一体どうなんだろうという好奇心が沸いたのでありました。


さて、1番については、手元には新登場したパシフィカSQのほかには、ジュリアードSQ(SONY S2K47229)、アルディッティSQ(ETCETRA KTC 1065)が、5番についてはアルディッティSQ(AUVIDIS MONTAIGNE MO782091)があります。レコ芸によればアルディッティSQの5番の方は廃盤になっていて、現在はパシフィカSQでしか5番は聞けないらしいです。なお、いずれのCDもカーターが何らかの形で関与しています。トゥーランガリーラ交響曲でのメシアンのようなもんですな(果たしてそれは良いことなんでしょうかね?)。


まずは5番。これは一聴して明らかにアルディッティSQの方が格段に良いです。特にそれを如実に感じるのは、楽譜に指定されているスナップ・ピチカートの弾き方や、第6セクションPresto scorrevole(二分音符=133、ブージーの全集P.357~)での奏者の音の揃え方、あるいは第10セクションAdagio sereno(四分音符=48、同p.373~)でのフラジオレット(ハーモニクス)の美しさに感じます。私の趣味・嗜好としては、リゲティを髣髴とさせる第10セクションがきれいでないと許せんという感じです。

なお、長木氏の述べるような他の手段が私には思いつかないので、聞きたい方はアルディッティSQを復活させるようにタワーにでも頼んでくださいとしか言えません(まずタワーでも復活させないだろうけど)。


このフラジオレットをはじめとした音の美しさの差は第1番でも感じたところですが、こちら、アイヴスからの引用もある(カーターによるとヴァイオリン・ソナタ第1番とのことでした<"Elliott Carter Collected Essays and Lectures,1937-1995." University of Rocehster Press p.233>。なお、ナンカロウのリズム・スタディ第1番のリズムも引用しているらしいです。私には分からなかった)第1番は、それほどけちょんけちょんに批判するほど悪くはないと思いました(「まあまあの出来」とは書いていますが、内容的にはけちょんけちょんです)。各奏者の音色が揃っていない点は私は気にならず(というよりそのおかげで楽譜が追い易かった<笑>)、スピーカーで聴くと、少なくとも後半、2楽章終わりから3楽章にかけてはノリが他2団体より良いと感じた部分もありました(ただしヘッドフォンだと、接続しているCDPの性能が悪いのか、音が死んで、ジュリアードSQも聴いていて辛かった)。

まあ、批評とか、例えばこのブログでの戯言は気にせず、自分でとりあえず買って聴いてみてくださいな、ということであります。でもアルディッテイSQの全集が一番良かったなあ。


なお、全く無視した佐野光司ですが、このパシフィカSQのディスクに限らずレコ芸での批評は全く批評の体をなしていない、単なる老人の戯言でして、金を払いたくないなあと思うSt.Ivesでした。もはや老害以外の何ものでもないので、追放処分若い人に交代して欲しいところであります。

因みに佐野光司の当盤の批評から抜粋

「エリオット・カーターの名は、アメリカの作曲家について語られる際に必ず出てくるが、少なくともこれまで聴いた範囲では問題意識の少ないアメリカの平均的な作曲家という印象であった」

(第1番について)
「弦楽四重奏曲第1番(1951)は、全くの新古典的な作風で、それなりに出来てはいるものの、今日この作品を評価するにはあまりに古いし、まだカーターがヨーロッパ音楽を模倣している時代の音楽であり、その意味では習作時代の作品といえる」

(第5番について)
「87歳の時に書かれた作品とは思えない緊張力を持っている。12の小品からなるが。そうした構成が緊張を保つ要因ともなっていると思う。カーターのそれまでの作風を考えると、良くも悪くも大国アメリカ市民の幸せな一面を代表している作風であったが、80歳を越えたカーターがこのような作品を書くのには、今日のイラク戦争に繋がる湾岸戦争等の社会的状況の反映があったのだろうか」

おいおい、耄碌して別の作曲家と混同して書いていないかい?という感じです。また、この批評の2ページ前でのコリリアーノの交響曲第1番で言っていることから伺えるご自身の考え方と違いがあり過ぎて、別人が書いたのではないか(コリリアーノがレーベル担当者が代筆して褒め称えたとか)と思ってしまいました。そして、何より演奏それ自体については全く触れていないぞ!
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