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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2008.05.29 Thu » 黄昏から闇夜へか?

どうも、ムストネンのギター・ソナタを聴きながらのSt.Ivesです。同じモチーフが繰り返され、侘しさ漂う出だしです。


早川書房からこの5月に出た「人類が消えた世界」、原書は昨年出版されたそうですが、四半世紀も昔に読んだ(眺めた?)"After Man"よりも興味深い、いや暗鬱たる気分にさせられました(記述は明晰で、エピソードも豊富、科学的な知識が無くても読めます)。

人類が消えた世界


突然日常生活を送っていた人類が消えたら世界はどうなるか?という疑問に答えるべく、人類後の世界を描くには「今」がどうなっているかを描かなくてはならないと、これでもかと現在の地球環境が描かれています。筆者は決して声高に語らず、事実を集めて来て提示するだけなのですが、それは人類はその歴史の真昼に立っていると思っているが、実は黄昏時に佇んでいると感じさせる内容と迫力あるものでした。さらに、黄昏から闇夜に我々が入り、そして消え果てもも、プラスチック(あるいはゴムタイヤなど石油由来の物質)、PCBやDDTそして核廃棄物が、気が遠くなるほど遠い将来まで、人類滅亡後まで環境に影響を及ぼしていくという事実に、私は眩暈を覚えました。果たして他の生命体に夜明けが来るのか?筆者は自然の再生力あるいは適応能力に期待していますが、その時に存在する生物は我々の慣れ親しんだものからは大きく異なったものになっているでしょう。あるいは、人類は、将来もしかすれば、生態系自体をそういう環境にあわせて改良して自然環境の「浄化」を行わせるかもしれませんが、それにしても現在の動植物を道連れにしていることには変わりありません。


同書では音楽についても少しだけ触れています。「時を超える芸術」の章、将来における人類の痕跡についての検討を行う章の一つにおいて、ボイジャーに積み込まれた金メッキされた銅板レコードに、バイエルン州立歌劇場管弦楽団の演奏でエッダ・モーザーの歌う「魔笛」の「夜の女王のアリア」が収録されたいきさつに触れています。その中で、キルケゴールの次の言葉が引用されています。

「モーツァルトは、あの小さな不滅の音楽隊に仲間入りする。その音楽隊の名前、その作品が、時間と共に忘れ去られることはない。それらは永遠に記憶に残るのだから」 (同書P.369)


しかし、聴く人がいなくなったら?



アメリカの核の墓場に、遠い将来、何万年も後ですら誰か(人類以外の知的生命体を含む)がそこに危険な何かが貯蔵されていることを分かるようにと努力している姿に、世界がひっくり返って立っているような気がしたSt.Ivesでした。何かおかしくないですか?
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