どうも、昨日の分をアップし忘れていたSt.Ivesでした。
森美術館で7月13日まで開催中の「ターナー賞の歩み」展に行ってきました。向うにいる間、それこそタブロイド紙から高級紙まで取り上げる一大イベントなんだと初めて知りましたが、過去は殆ど省みられなかったり、中止に追い込まれたりしていたとは知りませんでした。日本で言えばこれだけ取り上げられる文化的・芸術的な賞と言えば「芥川賞」と「直木賞」程度なので、プレゼンと話題づくりの勝利でしょう。
たまたま、近くで学芸員による案内があり、何でも過去3回程、英国全体で物議をかもした作品があったそうです。
一つは悪趣味と批判され、動物愛護団体も抗議し、入場者がいつもの2倍に達したと言うデミアン・ハーストの「母と子、分断」。まあそうでしょうなあ。あらためて実物を見ると、かつて生命であったものをこういう形で展示するおぞましさと、ほぼ毎日食べていて、そのためになされている行為と同じであるという事実とどうにも折り合いがつかないという心地の悪さ、そして無機質で不気味さを感じさせる作品であります。
二つ目は、ホワイトリードの作品「ハウス」。これが何故?と私には思われるほどに当時は物議と非難・批判を浴びた作品。すでに現物はきれいさっぱり地元公共団体によって撤去されており、今では写真のみでしか見れないのですが、そのこと自体が作品の一部であるとも思わせてしまう作品。
そして三つ目がマドンナなプレゼンターを務めた2001年受賞作 クリードの「ライトが点いたり、消えたり」。デュシャンの「泉」かケージの「4分33秒」の衝撃を今一度という感じでしょうか。アイデア一発勝負!でもその勇気が大方の人には無いのですよ。文句言うならやってみろ、と。
個人的には1997年受賞のジリアン・ウェアリングの作品が好きです。1時間がんばって見たあとのラスト・シーンの素晴らしさは、どうにも退屈で致し方ない駄作・駄演のコンサートに付き合わされてしまった後の開放感に通ずるものがあります。因みに、昨日の午後はそのラストシーンが午後1時45分、2時45分頃に来ました。えっ2回もぼ〜っと見ていたのかって?さあ、どうでしょう。
ともかく面白いと思うか、悪趣味だとかこれは芸術ではないと思うかはあなた次第の興味深い展覧会なのでお薦めです。秋に開催予定の横浜ビエンナーレがターナー賞級の注目度を日本で浴びる日はいつのことやら。
来週は、文化村まで愛するロシア・アヴァンギャルドの作品展を見に行く予定のSt.Ivesでした。タトリンの「第3インターナショナル記念塔」の実物が来ているらしいですよ(ウソです)。
[コメントの投稿]