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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2005.11.03 Thu » ポリーニ・プロジェクトII@タケメモ

ブーレーズ:二重の影の対話 クラリネット:アラン・ダミアン

ベルク:クラリネットとピアノのための4つの小品op.5
              クラリネット:アラン・ダミアン

シュトックハウゼン:ピアノ曲VII

シュトックハウゼン:ピアノ曲IX

ノーノ:...苦悩に満ちながらも晴朗な波...

ノーノ:森は若々しく命に満ちている
    (声楽、テープ、クラリネット、パーカッションのための)
       ベアト・フラー指揮、ケルン打楽器四重奏団
       クラリネット:アラン・ダミアン
       ソプラノ:バーバラ・ハンニガン
       声優:エレーナ・ヴィチーニ、カディジア・ボ-ヴェ
          ジョエル・トンプルー


サウンド・プロジェクション:フライブルク南西放送局ハインリッヒ・シュトローベル記念財団スタジオ
デイレクター:アンドレ・リヒャルト
アシスタント・ラインホルト・ブライク

ポリーニのピアノは、ベルクとシュトックハウゼンの2曲、そしてノーノの「...苦悩に満ちながらも晴朗な波...」のみ。もっとも、「森は」では、リヒャルトの隣に座って、しきりにコンソールの方に身を乗り出していたので、何か手伝っていた(邪魔をしていた)のかもしれない。

隣の親子、前の席のカップルは「ぜんぜんしらなーい、寝ちゃうかも」といった話をしていたとおり、前半はまさに寝ていたし、後半には消えていた。

アラン・ダミアンのクラリネットは、当たり前だが非常に上手く、美しいと「二重の影の対話」を聞きながら思った。場内が真っ暗になり、スーピカーからあらかじめ録音されていたクラリネットの音が場内を飛び回ると、ステージ上にうっすらとスポット・ライトが当たり、ダミアンが吹き始めるという趣向。場内が暗くなるたびにダミアンはステージ上を少しずつ移動して行った。ポリーニを聴きに来たのにと明らかに不満そうな隣の親子。この美しさが分からんのかーと怒鳴りつけようかと思ったが、場所が場所なので止めておいた。

続くベルクの小品。盛大な拍手に応えて、何と全曲を繰り返した、といっても全曲で7分に満たないんだけど。ここでもポリーニのピアノよりもダミアンのクラリネットの方が映えている、やはりポリーニも年かな、とか思う。
ところで、二人が全曲を繰り返し始めたとき、客席であわててプログラムを広げる人が多かった。予習してきなさいというより、たった今演奏したばっかりの曲じゃん、ちゃんと聴けよ!と思うのであった。

続く、シュトックハウゼン。IXは1998年にも聴いた記憶がある。これは非常に美しく響いたが、ポリーニらしい硬質さがあまり感じられないのはホールのせいか。

ここで休憩。

ノーノがポリーニのために書いた晩期を予感させる「...苦悩に満ちながらも晴朗な波...」は、ホールと最近?のポリーニのピアニズムもあってより叙情的な響きとなり、しみじみと聴いてしまった。

そのままの状態で、ノーノの「森は若々しく命に満ちている」を聴いてガツンと頭をぶったたかれる感じであった。場内も一気に静まり返ってしまった。曲の出来に感動したというより、その阿鼻叫喚の大音量に圧倒されてしまったという感じであることは否めない。
なぜ、多少時代がかった、ベトナム戦争に反対したこの作品をポリーニが今取り上げることを望んだかは不明だが(1日に何かしゃべったかもしれない)、少なくとも戦争やそれに伴う抑圧って生易しいもんじゃないよということは作品を通じて明らかに伝わるものであった。
ソプラノと声優はマイクを通していたとはいえ、凄まじい声を張り上げていたし、打楽器といっても巨大な金属板4枚をか金槌?で叩いたり、チェーンでこすったりと、最後の瞬間を除いて安心できる音がない作品であった。

これぞノーノというか、一般的に思われているゲンダイオンガク、故になかなか取り上げられないこの曲を聞かしてくれたポリーニには感謝。この曲は名のみ知っていたが、実際に聴くのは初めてだったのだ。

終演後、盛大な拍手とブラボーの中、真後ろの席の人がしきりにブーを飛ばしていた。論争をしかけて喧嘩する気にもなれず、最後まで拍手して帰宅。


明日は、元気だったらアファナシエフの「皇帝」を当日券で聞きに出かける予定。
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comments
ほんとうに今日は「ノーノ・プロジェクト」でしたね。
弦楽四重奏などの小編成なら少ないながらも聴く機会のあるノーノですが、今日の「森は若々しく生命に満ち・・・」規模になるとむつかしいみたいなので、この作品を聴く機会を与えてくれたポリーニに感謝、感謝。
ポリーニの名前につられてチケットを購入した客にもついでに感謝しときましょう。
講演会では、特にこの作品を今取り上げる理由については語っていませんでしたが、強調していたのは、「ノーノの思想ゆえではなく、あくまでも作品が素晴らしいから音楽家として演奏する。」ということでした。
もっとも、この作品が作られた時代状況と現在の状況は酷似していると思います。場所がベトナムからイラクに変わっただけで、アメリカが民主主義の名の下にしている行為は同じですから。
ブーの理由はわかりませんね。演奏も、ソリストも含めて素晴らしかったので。
ポリーニ・プロジェクトII
どうも、きりんさん今晩は。

1日のレクチャーの件はありがとうございます。作品が素晴らしいからとはいえ、やはり曲目を選ぶ際にはちらと北爆のことは思い出しただろうとは思いますよ。

ブーの理由は分かりません。そう言えば、全然違う傾向のプロコフィエフの「ロシア革命二十周年カンタータ」をベルリンで聞いたときもブーが出ていたので、共産主義的プロパガンダに敏感な御仁が、ここ日本にもいるのでしょう。でも、自由な共産主義者のノーノは、共産主義を騙る独裁国家のソヴィエト・ロシアにとっては危険人物だったのですけど(笑)。

それでは、今後もよろしくお願いします。
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