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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2009.08.23 Sun » ワルトシュタインを聴く

どうも、金曜日に熱っぽく、咳もあったので、もしかしてとヒヤっとしたSt.Ivesです。その後特段体調に変化が見当たらないので安心しています。スペイン風邪も最初は春先の軽い流行だったのでねえ、秋冬がやって来るのがとても憂鬱です。

そんなこんなで家に篭るにこしたことはないと、日永一日CDを聞いておりました。で、ポール・ルイスとブラウティハムの弾くワルトシュタインを聴き、ついでに他の演奏も聴いてみようと、楽譜を見ながらの聞き比べを敢行。
と思って、そういえばレコ芸で新編名曲名盤でやっていた記憶があったので見ると、リストに挙げられている11種類の録音のうち所有しているのは3枚のみでした。シュナーベル、バックハウス、ケンプといった一昔前の大御所ももなく、ブレンデルも持っていないとは、泰西派からすると如何なものかと思われるであろうなあ。シフやオピッツの全集もない、野平や仲道の全集もない、まあ普通のリスナーはそんなに持っていないもんですよ。

ともかく、簡単な感想
Lewis
まずは、ブレンデルの代用弟子であるポール・ルイス(harmoni mundi)。かなり遅めのテンポを採用。特に最終楽章は、Allegretto Moderatoの後ろ指示に重心がある感じ。ゆっくりのテンポの訳は細やかな配慮のペダル(しばしば休符を無視)とそれによる幽玄なる響き。大局的にはおかしくないけど、細部への拘りがある、実は変な演奏。

Brautigam
ブラウティハムによるフォルテピアノの演奏(BIS)。とある人が大いに勧めていたので購入。現代ピアノに慣れていて、ピアノフォルテの音には抵抗感があったが、ここで聴かれるワルトシュタインは短く切れる音によって、叩きつける豪雨のような斬新なサウンドが生み出されていて魅力的。ちょっと疲れますけど。

Ciccolini
(写真が大きいのには意味がありません)
チッコリーニの全集。現在廃盤であります。お年でもあり、さすがに最後の最後のプレスティッシモは指が回らない感じですが、ペダルを最小限に押さえて、楽しくリズミカルな演奏であります。私は好きなんだな、チッコリーニのベートーヴェンが。

Gulda
グルダのアマデオ原盤の全集。硬質のタッチでグイグイと明確かつ雄渾な演奏であります。録音がきつめなので損をしているけれども、全集のベストだと思います。えっ、バックハウスの全集を持っていないのにそんなことを言うなと、いやあ持っていないとは言ったけど、聴いたことが無いとは言っていないんだけどなあ。

Horow
ホロヴィッツのモノラル録音の方。如何せん音が悪い(割れています)。しかし、ここぞと言う時のすさまじい圧力の左手と煌めく右手に、ライブで聴いたら感涙するだろう演奏です(SONY盤はどうなんでしょうかね?)。それにしてもホロヴィッツ、もしかしてプレスティッシモ部分で軽やかな1オクターブ和音のスケールを、両手を使わずに片手で交互に弾いているのかと思わせるような響きがありますが、どうなんでしょう?

Ciani
チアーニの全集。音のひどさは文句なし、聴衆ノイズもすさまじい。しかし、それら欠点を補って余りある凄い演奏。硬質なタッチ、広大なダイナミックレンジ、伸縮自在のテンポから生み出される類稀なる高揚感があります。一度は聴いてみることをお薦めします。最初の5分間だけ雑音を我慢すると、あら不思議、人間の耳はよくできたもので、音だけを拾ってくれます。

Levinas
(写真が大きいのには意味がありません)
ミシェル・レヴィナスの全集(ACCORD 廃盤)。廃盤になるのも致し方ないとも思いますよ。ここに聴かれるベートーヴェンは、多分「泰西名曲」のベートーヴェンではないので。非常に狭いフォルテ方向のダイナミックレンジと、逆に幅広いピアノ方向のダイナミックレジンという偏り、テンポは多分史上最速ではないかと思われ、かつ細部は本職さながらに音塊の中に塗り込められつつ、アクセントをつけた音がピコピコとくどいように明滅する様は、リゲティの練習曲?ということで私のiPodにはこの全集が格納されています。

Polini
ライブの方ではないポリーニのワルトシュタイン(DG)、めでたくレコ芸では第2位。明るめで硬質なタッチ、広大なダイナミックレンジ、一貫したテンポ、明確な構造感、一言でポリーニらしい演奏です。他に言うことがないのかって?無いです。

Paik
クン・ウー・パイクの全集(DECCA)。面白味に欠けると評されるかもしれませんが、非常に立派な練られた解釈の落ち着いた模範的演奏です。こういう演奏は損をするんですよねえ、どうしても派手な演奏に耳が行きますので。

Nat
ナットのEMI録音全集(モノラル)。ミスタッチもちょこっとありますけど、正直素晴らしい演奏です(自作自演が欲しかったので購入したら、全集がくっついてきたという感じ)。明朗で繊細、しかし構えは大きいです。しかし、こんな演奏があると全集を作りづらいでしょうなあ。

Serkin
ゼルキン(SONY)。お年を大分召されているので、ちと覚束ないところがあります(テンポ設定はチッコリーニあるいはルイスと同じくらいかな)。特筆すべきは、こんなタッチの人だったか?と思うほど、タッチが非常に軽く聞こえることです(特に第1楽章)。最終楽章にこんなしみじみとした感じがあるとは思ってもいませんでした。

Gilels
(写真が小さいのには意味がありません)
ギレリスの選集(DG)。真打登場、名曲名盤300選でも長いこと1位を記録していますが、致し方ない。若干遠い感じの録音ながら、演奏は完璧の一言です。あるべきテンポ、あるべき和音の響き、あるべきダイナミックレンジ、あるべきメロディ・ラインetc.。もしこれにつけくわえるならば、ライヴの感興でしょうか。


しかし疲れたなあ。ワルトシュタインは当分聞かなくてもいい感じ。


これからセルの振るヤナーチェクでも聞いて寝ようかと思うSt.Ivesでした。
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