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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2011.04.15 Fri » 竹澤恭子(Vn)、アツモン指揮 都響(4月14日)

どうも、今年度から都響のA定期の会員となったSt. Ivesです。もっとも本日はB定期の日ですけど、別途購入して行ってきました。

4月14日(木)午後7時開演 サントリーホール

東京都交響楽団 第715回定期演奏会Aシリーズ

指揮:モーシェ・アツモン
ヴァイオリン独奏:竹澤恭子

バッハ:G線上のアリア
黙祷

エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調op.61

ブラームス:交響曲第2番ニ長調op.73

ブラームスも爽やかでかつ華やか明るい良い演奏で、聴いていて気分が晴々としましたが、何よりも本日は稀にしか実演に接することができないエルガーのヴァイオリン協奏曲の日でありましょう。そもそも、都響のA定期会員になった理由は、私にとっての5大ヴァイオリン協奏曲のうち2つが取り上げられるからであり(特別演奏会ではもう一つも取り上げられるけど)、中でもリゲティと並ぶ筆頭格のこの曲が聴けるというのが何より大きいのでした(あとはショスタコーヴィチの交響曲第4番とスクリャービンの交響曲第2番も聴けるのが嬉しい)。

この曲は、メニューヒン、ハイフェッツをはじめとした著名ヴァイオリニストが取り上げ、ディスクがどの程度現在まで売り出されているか分からないけれども、我が家にあるだけで25種類ほど(DGコンサートでもサカリ・オラモ指揮バーミンガム市響、独奏ダニエル・ホープの演奏がある)、にもかかわらず人気はいまいち。当然守旧で昔の演奏を売らんかなという意図丸見えになりつつあるレコ芸の名曲名盤300選には選ばれていない(ただ、それではあまりにひどいと悟ったのか、今年4月号の「デジタル時代の名曲・名録音」(何故名盤と言わない?)では選者を変えた結果、この曲は取り上げられている)。

「エニグマ」や「威風堂々」なんかを想像していると完全に裏切られ、盛り上がるんだけどすぐにメランコリックな曲想になりそれが延々と続く(特に第3楽章なんか、これで明るく終わるかと思ったら、いきなり幽玄で渋いカデンツァが10分も続く)、そしてチェロ協奏曲と比べ物にならないほど長い(50分を超える)。結果、本日も寝ている人が多かった...。

しかし、寝ていた人にはわからないが(当たり前だ)、本日の演奏は素晴らしい名演であった。私は、ロンドンでの実演も含めて断然ハーンのクールでスタイリッシュな演奏をこの曲では第一に推すが、今晩の演奏は、第3楽章に若干乱れたところもあったが、それとは逆にメランコリーというかある種の情念が立ち昇っていく感じであり、個人的な趣味を超越した極めて説得力のある演奏であり圧倒された。そして、この曲は、技術的にみてもとてつもなく難しいし、体力勝負のところもある。第3楽章なんぞ、30分近く殆ど休みなく弾いた後に、まだ高い山があるという感じである(あそこで重音は必要なんだろうか?とピアノでヴァイオリン・パートを弾いてみて思うのだが...)。例えば、実演を録音したものと言えば、先のダニエル・ホープ、ギル・シャハムとジンマン指揮CSO、そして以前ちらと触れた Miguel Pérez Espejo独奏のものがある。最後のディスクは論外だが(殆ど音が外れている)、他の二つはよく実演であれだけ弾けたと思えるし、聴衆が熱狂するのも無理が無いと思える出来だったが、本日の竹澤も、盛大な拍手を受けるにふさわしいほどにこの曲を弾き切っていた。

さて、竹澤の演奏といえば、本日も会場売られていたが、コリン・デイヴィスの指揮、バイエルン放送交響楽団という豪華なバックによるディスクがある。録音は今から18年近く前の1993年。演奏としては、私の持っている録音物の中では他を引き離して圧倒的に主情的な演奏であり、楽譜をみながら聴くと、そこまで音を溜めたり伸ばしたりする必要があるんだろうかという感を受け、聴き終えるとサー・コリンとオケが良く合わせたなあという感想しか残らなかった。本日も基本的に同じ路線ではあったが、実演なのである程度主情的な部分を抑制したのか、あの演奏をブラッシュアップされたという感じであった。さらにヴァイオリンの音がCDとは比べ物になら無いほど芯がしっかりとし、重心が低くかつ美しい音であったこともより説得度と感銘度を高めたと思われる(CDの音は薄く芯がないように感じる)。

さらに忘れてならないのはバックのオケとアツモンの指揮である。これがディスクに感じた「良く合わせたなあ」というヨソヨソしさはなく、ヴァイオリンの解釈に寄り添って「息がぴったり合っていた」感が非常に強かった(これで思い出すのが、ジンマンとシャハムのCDの第3楽章のコーダ部分である。走るシャハムをCSOの大音響で包んで自分のテンポにジンマンがしていた。あの部分は確かにテンポを落とす部分であろうなあ)。


ということで、非常に満足したコンサートであった。ちなみに、明日は東京文化会館で午後7時から同じプログラムがあるので(私はこっちのシリーズの会員)、エルガーのヴァイオリン協奏曲の愛好者は聴きに行くべきである(ただし、コンディションが違うし、演奏会は生モノなので本日のような水準である保証はしない)。


明日に備えてもう寝ようかと思いつつも、いまだ興奮さめやらぬSt. Ivesでした。
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