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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2012.05.04 Fri » 「熱狂の日」初日(5月3日)

どうも、最後の権代&ペルトが25分以上伸びて、ようやく家に帰り着いたSt. Ivesです。

朝から晩まで有楽町に貼り付いて「熱狂の日」を満喫したのは今日が初めてでして、曲目を書いているだけで明日の朝になってしまいそうなかんじですが、適宜捨象しつつ、簡単な印象をば。

(最初数字はコンサート番号、次の人の名前は会場です)

151 パステルナーク 11:00~11:55(10分後ろに押しました)
「ロシア紀行」  クレール=マリ・ルゲ(pf)

 何とかル・ゲのチケットを入手できて良かったよかったという感じ。曲目はMIRAREから最近出たCDから選ばれています(詳細は、「熱狂の日」公式HPのタイムテーブルでご覧ください)。

さて、いつものように誠実でけれんみが殆どない演奏。昔に比べて低音の質感(あるいは粘度?)が増しておりまして、ラフマニノフの前奏曲嬰ハ短調やスクリャービンの二つの前奏曲などはとてもグッドでした。ちと、聴衆ノイズが多かったのが残念(一つは泣きだす子供がいたこと。もう一つは、開始時刻に間に合わない聴衆がどかどかはいってきたこと)。
明日の方がその点は落ち着いて聴けるでしょうけど、チケットは入手できず、聞けません。残念。


112 プーシキン 12:15~13:00
下野指揮 読売日本交響楽団
モソロフ:鉄工場
ストラヴィンスキー:春の祭典

パステルナークからプーシキンへ移動途中、地下2階でジャジーな「展覧会の絵」が流れ、仮装した人々が踊っておりまして、最初米米クラブ?とか思ったら、あれが噂の「渋さ知らず」という集団だったようです。そのまま聞きたっかったけれども、会場へ。

まずは数年ぶりに実演を聴くモソロフの「鉄工場」。下野はホルンを立たせ、ガンガン打ち叩く金板を前に出して視覚効果的にも面白くしていましたが、いかんせんホールが変に響く。さらにスピーカーを使っているのかどうか知らないが、真横から木管群の音が聞こえたり、いやに金管が聴こえるという状況。そうした音響を考慮してか、かなり遅いテンポを採用しておりました。まあ、この曲は聴けるだけで良いです。
一方、「春の祭典」は、あのホールでの指揮と演奏は大変であることは明白なので、その出来については書きません。


163 ゴーゴリ 13:45~14:30
プロコフィエフ 風刺op17
ロスラヴェツ  5つの前奏曲より第2番、第4番、第5番
メトネル    4つのおとぎ話
メトネル    ピアノ・ソナタ op.11-1
(アンコール)
ルリエ     「大気のかたち」第1曲

何よりの驚きは最後のアンコールで弾かれたルリエの「大気のかたち」。名前だけしか知らず、というよりもルリエのピアノ曲は聞いたことが無かったので余計に驚き。楽譜は、現代音楽でよく見かけるような、必要なところ以外は五線を引かないもの。あー写真を撮っておけばよかった。

さて、後半のメトネルはよく知らないので割愛するとして、前半の不協和な響きだらけのプロコフィエフとロスラヴェツは、意外や意外にというと失礼かもしれないけれど、音に切れと推進力があってとても良い演奏でした。ルリエを録音しないかな?

144 ドストエフスキー 15:30~16:30
「ヌーヴェルバーグ」
「勝手にしやがれ」ではなくマルタンの新人演奏家紹介コーナー。
フェインベルク:ピアノ・ソナタ第5番 op.10
プロコフィエフ:4つの練習曲 op.2
 ユーリ・ファヴォリン(pf)

ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 op.19より第3、4楽章
 エドガー・モロー(Vc)、ピエール=イヴ・オディク(pf)

ストラヴィンスキー:3つのやさしい小品
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカより第1場 謝肉祭の市場
 ビジャーク姉妹

後でも触れるファヴォリン君のフェインベルクが出色の出来。いやはや凄いもんです。ラフマニノフは飛して、ビジャーク姉妹の「ペトルーシュカ」、CDよりも繊細な演奏だったので、出だしは若干もどかしい感じがするも、途中からはパワフルさも加わって楽しさ倍増(もっとも最近ルービンシュタインのカーネギーライブの「ペトルーシュカ」を聴いてしまって、あれが新基準になりつつあるので、ポリーニを除くどれも物足りなく感じています)。

184 トルストイ 17:15~18:00

ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 op.3-2
ラフマニノフ:10の前奏曲 op.23
 アブデル・ラーマン・エル=バシャ(pf)

この公演が売り切れいていないとは一体なぜ?実に素晴らしい演奏で、ル・ゲと2曲ダブっていましたけど、いずれも軍配はエル・バシャの演奏に挙げざるを得ません、実に多彩な音色・タッチ、余裕のあるテクニックで、正直紀尾井とか凸版とか王子とかで聴きたい感じ。なお、5月5日には残りの前奏曲も取り上げるのですが、人間は瞬間移動が出来ないので、別のコンサートに行くため聞けません。残念無念であります。


166 ゴーゴリ 18:30~19:15
シソエフ:Antiphases
ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ第3番 ハ短調op.19
ロスラヴェツ:ソナタ第2番
ロスラヴェツ:前奏曲
ウストボルスカヤ:ソナタ第5番
 ユーリ・ファヴォリン(pf)

本日最大の収穫か。いやあ、凄かった、エル=バシャは素晴らしかったが、こっちは凄かった。
シソエフは、もしかしたら我が家のどこかに音源があるかもしれないが、初耳。バラケやブーレーズのソナタの愛好家ならば十分楽しめます。もっとも、情けないことだが、構造や構成原理は全くは分からず。
続く初耳のミャスコフスキーの3番、結構前衛っぽいので驚き。もっともシソエフの後で聴くと、とっても耳に滑らかなんですけど。

そしてロスラヴェツの2番、ファヴォリン君の打鍵は、とても重くかつ硬質なため、アムランの(彼の録音にありがちな)さらっとした端正な佇まいで、博物館の陳列棚にある「かつての前衛」ではなく、後に惹かれたウストヴォルスカヤにつながっていく今を生きる鬼気迫る作品として演奏されていました。

そしてこれだけでも聴きに行く価値があったのが、ウストヴォルスカヤのソナタ第5番。いやはや、この曲には数種の録音がありますけど、そのどれよりも良い、最近出たNEOSのSACDなどペラペラの音で聞いちゃいられないと思うほど空恐ろしい演奏。シュトックハウゼンのピアノ曲Xの如きしつこい連打が、「1984年」のルーム101での拷問を思わせる叩き込みぶりでした。

明日、有森が弾くモソロフのピアノ曲の回と重なっていなければまた行くのだがねえ。

ちなみに、LFJ公式ブログでもこの回とファヴォリン君は紹介されています(ここ)。うーむ、明日のラフマニノフの3番協奏曲に行ってみるか?


136 ツルゲーネフ 20:15~21:00
ヴァインベルク:弦楽四重奏曲第8番 op.66
グラズノフ  :弦楽四重奏曲第3番 ト長調 op.26
(アンコール)
チャイコフスキーの何かのスケルツォ
 ツェムリンスキー四重奏団

ヴァインベルクの弦楽四重奏曲は、すでにダネルSQの演奏(CPO)で知っていたとはいえ、(ダネルSQと比較して)実演でワイルドかつ苦み走った音の演奏で聞くと、本当にショスタコーヴィチそっくりでありました。ショスタコーヴィチの例えば7番、8番とかと合わせるか、もう少しヴァインベルクの他の弦楽四重奏曲とあわせたプログラムだったらねえ。


157 パステルナーク 21:45~22:55(結局25分近く伸びた)
「祈り」
権代:カイロス──その時
 児玉桃(pf)
ペルト:カノン・ポカヤネンより(オードVI、コンタキオン、イコス、カノンの後の祈り)
権代:クロノス──時の裂け目
 山根孝司(バス・クラ)、伴野涼介(ホルン)、宮田大(チェロ)、池上秀樹(打楽器)、北村朋幹(pf)

一柳の時も思ったのだが3.11というだけで美的判断が思考停止に陥ってしまうことがないかと危惧したが、権代作品はそんなことはなかった。もっとも、解説に出て来た権代のジャケット色は、ターコイズブルー(あるいは明るい青緑)ではなく、保守的な趣味かもしれないが、黒か暗い灰色に変えた方が良いと思ったのだけれど。
さて、カイロス、リゲティの練習曲が好きならば気にいるはず。連続打鍵とトリル、数オクターヴにわたる上下の音の運動と(リストのリゴレットパラフレーズっぽい壮大さを感じつつも)、3.11云々を言わずとも、中々に良い曲。それにしても指が痛くなりそうな曲だ。

ペルトは、何十年ぶりにこの曲を聴くだろうか?合唱は美しいのだが、どこを歌っているのか分からないので正直聞くのはきつかった。なお、歌手16人中3人がiPadを片手で持って見ておりました。楽譜よりも軽いのだろうか?

クロノス、曲の傾向はカイロスと同じ。連続打鍵とトリルを各種楽器に割り振り、特に打楽器(マリンバとグロッケン)を使用して、ピアノ単独以上に轟音を響かせていました。しかし、不思議な静謐感もあり、個人的には結構気に入りました。


とあるレストランで食事をしたら、「熱狂の日」ドロップを貰えてご機嫌なSt.Ivesでした。あしたは3演目に行く予定。


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