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近現代クラシック音楽愛好家の徒然草。

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2012.09.30 Sun » アイヴス 交響曲第4番 クリティカルエディションが届く

どうも、シーララの弾くベートーヴェンのラストソナタ集を聴きながらのSt. Ivesです。

2005年に日本に戻ってからは、一度海外でアンドリュー・ディヴィスが振ったのを聴いて以来、さすがの大阪シンフォニカーも取り上げない難曲 アイヴスの交響曲第4番、また海外にでも聴きに行こうかと思う今日この頃、ようやくクリティカル・エディションが届いたのでした。

Ives 4th 1

右側が従来のスコア、左側が今回のクリティカルエディション。MTTの振った4番のCDと比較しても大きいことが良くわかります。また他の曲のクリティカル・エディションがペラペラの紙カバーであるのとは異なりハード・カバーです。この曲に対する協会の力の入れようが分かります。

また、これまでの下手くそな手書き楽譜のコピーからきちんと浄書されています。
Ives 4th 2
あんまり上手く撮れていませんが、見違える程見易くなっています。さらに楽譜が大版なので第4楽章も縦置きにすることなく、横のまま読めます。

もちろん気になるのは旧版との違いですが、色々あります。例えば第4楽章冒頭、アドリブ指定されているBU(打楽器群)の導入が、8小節から7小節に変更(冒頭の2拍分の休止を無くしたことによる)あるいは下記の写真にあるように、1楽章冒頭のアドリブ指定されていたフルートが無くなったことなどです(最上段に注意)。

Ives 4th 4
Ives 4th 3

そして、さらに旧版には無かった各楽章の標題が中央に大きく掲げられるようになったことも大きな違いでしょう。旧版には無かった詳細な解説や校訂報告があるのは有難いのですが、解説の中にはかなりプログラム的に作品構造を読みとるようにしている向きを感じます。

また、解説の中には、1927年の第1楽章、第2楽章初演を受けたアイヴスによる「指揮者への注意」が全文掲載されています。その中で、第2楽章については、アッパーとローワー(大まかにいえば、アッパーが金管・木管群、ローワーは弦楽器群)の二つのオーケストラがあるので指揮者を分けた方が良いかもしれないと述べています。

結果、第1楽章と第4楽章の別働部隊の弦楽器群に指揮者1名、第2楽章の補助指揮者、それに全体総括で最大3人が必要となるのですが、ナガノとエトヴェシュは、別働部隊指揮者1名のみ増員(空間的に離れた場所に彼らを設置)、オラモは別働部隊とローワー兼用で1名増員、小澤とA.ディヴィスは全部一人で振っていたと記憶しています。

また、ピアノは、ソロと、オーケストラピアノとは離すべきという指示のほか、そもそもエマーソン協奏曲がひな形にあったと想定されているので、指揮者の前にソロピアノを置くようにしています、特にオラモがプロムスで振った際は、後半に「ペトルーシュカ1947年版」だったので、そのままの配置でしたし、ミュンヘンでのエトヴェシュも、後半はベリオのシンフォニア、の時もそうしていました。


さて、クリティカル・エディションには付録でCD-ROMがあり、そこにはマニュスクリプトに書き込まれている鉛筆書きの指示だけでなく、アイヴスの引用についての詳細に分析した著作"All Made of Tunes”(イェール大学出版)のBurkholderによって、交響曲第4番の総譜上にその部分が何から引用されているかが一目でわかるように色付けがされています。音楽を流しながらPC上で総譜を辿って引用曲が分かる、実に便利な代物です(とはいえ、かなり大画面のPCでないと見辛いです)。

最後に、序文は旧版のカーク・パトリッックから新版はシンクレアに変わっています。


そろそろA.ディヴィス以外にもSACDで4番が出て欲しいものです。マルチチャンネルだと空間的に分離されたBUや第2オーケストラが分かるようならば、オーディオ・システムをそれに合わせて変えますよ。エトヴェシュが出さないかなあ。



これから こちらも届いたばかりのジェレミー・デンクの弾くアイヴスのピアノ・ソナタ第2番でも聴こうかと思うSt. Ivesでした。クーリエ・ジャポンのレコーディング記事は興味深かったなあ。
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comments
興味深く拝見しました.ありがとうございます.益々スコアそのものが見たくなってしまいましたが(笑)

別項に書いたエトヴェシュ=KCOの実演は、あとでプログラムを見返したら「Thomas M. Brodheadの校訂版(2011)に基づくアイヴズ協会パフォーマンス・エディションのオランダ初演」と明記してありました.
Re: タイトルなし
どうも、M.Fさん今晩は。

> 興味深く拝見しました.ありがとうございます.益々スコアそのものが見たくなってしまいましたが(笑)
>

中々に面白いスコアです。CD-ROMはぬった部分に矢印を置くなりクリックすると音がでるともっと面白いのですけどね。

> 別項に書いたエトヴェシュ=KCOの実演は、あとでプログラムを見返したら「Thomas M. Brodheadの校訂版(2011)に基づくアイヴズ協会パフォーマンス・エディションのオランダ初演」と明記してありました.

そうですか。ミュンヘンで振ったものは暫定版だったのでしょうかねえ。実際、どこまで本当にアイヴスが作曲したのか校訂版が出るたびに時々不安になることもあります。カークパトリックがフランツ・シャルクの役回りをしていたということか?と時々思いますよ。

エトヴェシュの時のベリオのシンフォニアとアイヴスの4番というプログラムは日本では望むべくもないなあと思うSt. Ivesでした(レヴァインのラスト・コンサート@ミュンヘンの「大地の歌」と「復活」も望むべくもないけれど)。
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