プリメイン・アンプのプリの部分が壊れてしまい、CDPをパワー・アンプ部に直接つないで聞いております。こちらの方が音の出が生々しいというか荒々しく、前に出てくるのは良い一方、長時間聞くと疲れます。
「今年の人を聞く」 その5 今回で終わりです。
トップ・バッターはこの人。

・アリアーガ(27.1.1806-17.1.1826) 生誕200年
交響曲ニ短調
サバール指揮 コンセール・デ・ナンシー
Aetree IDC6045
見果てぬ夢の記念碑。メンデルスゾーンもかくやとも思わせる古典的な趣きにロマン派の情熱が感じられる作品。
「泣くな、二十で死ぬには勇気が必要なんだ」(E.ガロア、数学者 1811-1832)

・マルトゥッチ(1856-1909) 生誕150年
Notturno op.70 no.1
ムーティ指揮 スカラ座管弦楽団
SONY SK 53280
生誕150年なのに全く盛り上がりが見られないマルトゥッチ。トスカニーニも取り上げていて、この曲だって「ローマの祭」の後にでもアンコールに演奏されたら、穏やかな幸せな気分で帰宅出来ますよ。因みに、私にはマーラーの「夜の歌」第4楽章の旋律がチラと聞こえたんですが、ソラミミでしょうかね?

・ヴァイゲル(1881-1949) 生誕125年
交響曲第5番「黙示録交響曲」(1945)
T.ザンデルリンク指揮 ベルリン放送o.
BIS CD-1077
うーむ、第1楽章の冒頭こそ凄く期待をもたせたのだが、後はモーツァルトの「不協和音」以上に腰砕けであった(聴く人の楽しみを奪わないためにこれ以上は書かないでおきます)。
ヴァイグルはヴィーンでシェーンベルクの同時代人で、一時期はシェーンベルクと行動を共にしたこともあるが、傾向は全く違います(F.シュミットとかアイネムの方向の作曲家)。

・パレー(1886-1979) 生誕120年
オラトリオ「ジャンヌ・ダルク」
ペロン指揮 アサンプション・グロット交響楽団&合唱団
GROTTO GP-0005
指揮者ポール・パレーの作曲家としての側面の紹介に熱心なGROTTOのCD。しかしですなあ、演奏が今一だと思うのですけど。なお、作品は「ジャンヌ・ダルク」を掲げているにしては穏やか過ぎる感じです。オネゲルの作品に慣れ親しんでいるからかなあ。

・アミ(1936-) 生誕70年
オペラ"Le Premier Cercle"
プラッソン指揮 リヨン国立歌劇場o.他
MFA 216040.42
原作がソルジェニーツェン(邦題は「煉獄の中で」らしいが未読。もっとも、「収容所群島」も「一日」も遠い昔に読んで細かい内容は忘れてしまったので、どれでも同じなのだが...)。パリで何気に購入したまま、長らく文字通り「棚」晒しにしていたのだが、アミの「ミサ・クム・ユビロ」を12月に何気なく聞いてしまったために、残っている彼の作品はこれだけだったので聴く。非常に疲れる140分であった。

・デュリュフレ(1902-1986) 没後20年
レクイエム op.9
プラッソン指揮 トゥールーズ・カピトルo.
A.S.オッター、T.ハンプソン、マリー=クレール・アラン(org)
TOCE-55087
フランスの寡作作曲家の一人デュリュフレの、フォーレを想起させる傑作。前で紹介した曲に続けて聞くのが吉かもしれない(プラッソンもこの順番で指揮をしている、ハズがない)。因みにオルガンのアランも今年で80歳(1926年生)。

・デュティユ(1916-) 生誕90年
弦楽四重奏曲"Ansi la nuit"
Belcea弦楽四重奏団
EMI 5 74020 2
真打の一人でしょうか。生きてセンテナリーを祝うかという感じのカーターに次ぐ長老作曲家。個人的にはこの作品がデュティユの作品の中では最も好きである。もっとも、(比較的)シンプルなピアノ・ソナタの次にこの曲の楽譜を見ると頭が痛くなるが。

・林(1931-) 生誕75年
弦楽四重奏曲第2番「レゲンデ」(2楽章版)
アルディッティ弦楽四重奏団
fontec FOCD2534
「天安門事件」云々抜きに、傑作であると思うぞ。少なくともショスタコーヴィチ晩年の作品群に慣れ親しんだ人ならば、この作品に魅せられると思うがねえ。

・ブソッティ(1931-) 生誕75年
ロレンザッチョ交響曲
シノーポリ指揮 NRD交響楽団
DG 437 739-2
今でも生きているのか作曲しているのか知らないが、絵画のように(ヘンテコな)楽譜を書いていた(いる?)ブソッティ。何がどうロレンザッチョなのかは購入して早20年近く経っても分からないが、ともかく奇妙な味わいの音楽を楽しんでおります。しかしシノーポリとお友達だったと聞いたのだが本当だろうか?

・カーデュウ(1936-1981) 生誕70年 没後25年
大学("The Great Learning") より第7節
カーデュウ&スクラッチ・オーケストラ
全曲は堪忍して、という感じですが、邪魔にならない音楽ではあります。しかし、「大学」そのものを読んだことが無いので、作品とどう関係しているのか私には分かりません。

・ショスタコーヴィチ(1906-1975) 生誕100年
オペラ「鼻」
アルミン・ジョルダン指揮 ローザンヌ・オペラ
RSR6183
大本命登場。「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の方が相応しかろうかと思いましたけど、スコア見ながら聞こうと思ってこちらにしました。これを聴くと「マクベス夫人」って(筋はともかく)まっとうなオペラの流れの中にあるんじゃない?とか思うのですけどねえ。これもリブレットはフランス語だけだし、楽譜(旧全集)はロシア語だけでセリフが分からん!ナガノ指揮ベルリン州立歌劇場の公演がDVDで出ないかなあ。

・ヘンツェ(1926-) 生誕80年
オペラ「若き恋人たちのエレジー」
Akina指揮 ベルリン室内オペラ管弦楽団他
ドイツ・シャルプラッテン DS 1050-2
多分この曲唯一の全曲盤だと思うのですけど、実は全曲ではありません。1989年改訂版の楽譜で言えば、第3幕第6景の終わり1/4くらいから第8景までがすっぽり抜けています。第6景で詩人ミッテンホッファーとその秘書が若き恋人たちを見殺しにし、その心象風景のようなこの曲で唯一と言っていい壮絶なオケの狂騒が終わると、いきなりミッテンホッファーが出てきて、「若き恋人たちのエレジー」を読むという最終シーンにつながり、そのままエンディングを迎えてしまいます。つまり冬山で遭難して「トリスタン」並に愛の二重唱を歌いながら死に絶える恋人たちのシーンが無いのでした。
ベルリン州立でこれを見て、その後にこのCDを購入して。ありゃ?と思ってしまいました。因みに録音は1989年9月で、このオペラの来歴に詳しくないのですけど、ヘンツェ・エディションの抜粋盤でもこの部分は割愛されておりまして、このシーンが余計と思われているのか、後で付け加えたのでしょうかね(日本初演ではどうだったのでしょうか?)。
なお、このディスクの歌唱はドイツ語(本来は英語で歌われますが、楽譜にはドイツ語用に音符が補われています)。

・グバイドゥリーナ(1931-) 生誕75年
T.S.エリオットへのオマージュ(1987)より第7曲「罪はまぬがれ難きもの」
ウィトルシー(s)、クレーメル、クーレン、ゲリンガス他
DG F00G20384
T.S.エリオットがミッテンホファーという訳ではないですし、その罪について考察しようとか言うわけではないのですが、最後に何となく相応しいかなと。
Sin is Behovely, but
All shall be well...